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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

メインテナンスについて 

「シロアリには継続的な防蟻処理工事を」

シロアリには継続的な防蟻処理工事説明図

シロアリについての保証期間は品確法の影響で新築後10年と定めている業者が増えてはきました。ただし、厳密には品確法でシロアリ被害を10年の瑕疵担保対象と定めているわけではないので、保証期間は5年としてその後は継続的な防蟻処理工事をすすめられるケースも多いと思います。

いずれにしても、最近のシロアリ対策は薬剤によるものが一般的になりましたので、防蟻処理工事は住宅の主要なメインテナンス項目といってもよいかもしれません。
ですから、建築した業者の長期保証に入っている場合などは、保証延長の条件として必ず有償防蟻工事を行うことになっていますし、そうでない場合でも新築時に防蟻工事を行った業者から定期的に案内が届くことになるのではないでしょうか。
それ以外にも飛び込みで勧誘するシロアリ処理業者も多数あって、いかにも継続的に防蟻工事をしないとシロアリによって大変な被害をこうむるような気にさせられることになります。

この防蟻処理工事についてはいろいろな考え方があります。
万一被害にあった場合にこうむる負担が大きいのでやはり定期的なメインテナンスをして保証に入って置くべきだという考え方は当然あります。
しかし、薬剤が人体に与える危険を考えるとできるだけ避けるべきだという意見もありますし、そもそも最近の住宅のように床下にベタ基礎を採用したり防湿コンクリートが打たれてあったりすればその必要は無いという人もいます。つまり確固とした基準はないのです。
ですから、より説得力がある話につい釣られてしまうことになります。
例えば、
新築後かなり年月を経過したときに、「防蟻工事認定診断士」なんていうそれらしい名札をつけた業者がやってきて、「この地区の方だけですが期間限定でシロアリについての無料診断を実施中です。ちょっと床下を拝見させてもらえばシロアリ被害があるかどうか、受ける可能性があるかどうかの診断をさせてもらいますよ」とう言葉に釣られ「じゃあ、無料ならやってもらおうか」という事になったとします。そうすると基礎の内部に潜って内部のいろいろな写真を撮ってきます。きっと写真の中にはコンクリートのヒビ割れ、小さな虫の死骸、木材の変色などが写っていることでしょう。(どこの家でも必ずそんな部分がありますので)

基礎内部の画像


そこで「このヒビは構造クラックと言いまして今は小さくても放っておくとどんどん大きく拡がって大変なことになりますから今のうちに補修工事をしておいた方がいいですよ。 この虫は○○という虫で、この虫がいるという事はシロアリがいても不思議はないですから早めに防蟻工事をしておいたほうがいいですよ。 この木材の変色は湿気によるものと思われます。湿気はシロアリの好物ですから基礎内換気扇をつけて乾燥させた方がいいですよ。」というような話になり、あまり間をおかずに工事の見積書をもってきて「今なら丁度職人さんの仕事の合間ですので3割引でやらしてもらいますよ。ただし今日決めてもらわないと他にも待っているお客さんがいらっしゃいますのでそちらに話をもっていきます」なんて言われて、「それじゃあ頼むとするか」という流れになってしまうかもしれませんね。多分これだけやると100万円以上の金額になると思いますが、本当は何もする必要がないにも関わらず、意味のない工事に大金を払ったという人の話は数えきれないほどあります。

では、防蟻工事についてはどう考えた方がよいのでしょうか。
わたしは次のように考えています。

多少の費用は掛かってもよいから安心を買いたい方は、建築業者または建築時のシロアリ処理業者に頼んで保証を継続するほうがよいでしょう。間違っても上記のような飛び込みの業者には頼まないようにしましょう。(薬剤処理は人体にとって危険だから止めるというのは少し危険性を過大視しすぎのような気がします。もし本当にそうならシロアリ処理業者はみんな病気になっていなければなりません。だって毎日毎日その環境で仕事をしているんですから。)

自己責任の範囲でできるだけ余分な費用をかけたくない方は、定期的に自分で基礎内部を点検してシロアリがいるかいないかをチェックしてみることです(「点検口は収納部の中に」の項目でも述べていますので重複は避けます)。
床下内部が土ではなくコンクリート床になっていて基礎換気口が均等にあって風通しさえよければよほどの事がない限りシロアリ被害を受けることはありません。特にシステムバスややシステムキッチンなどの乾式工法による水回り設備の普及により建築後20年以内の住宅でシロアリ被害をうける確率は本当に小さくなりました。
半年に一回、あるいは一年に一回でも良いので自分で基礎内部を点検してみてください。もぐりこんで隅から隅まで点検することは無理だとおもいますが、点検口からのぞいて懐中電灯で照らしたり湿り気がないかどうか臭いを確認したりするくらいのことはできると思いますので。




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