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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

契約について 

土地を買うときは慌てずにゆっくり考えて

説明図

家づくりにおいて、既に土地をお持ちの方或いは建築予定地が決まっている方はとても恵まれています。
そういう恵まれた方よりも、現在賃貸住宅等にお住まいで、これから土地探しも含めた家づくりをお考えになる方のほうが遥かに多いことと思います。

さて、土地を探すといっても、実はそう簡単なことではありません。
昔は不動産屋の広告やら店頭の張り紙などを参考にして探し始め、そのうちに特定の不動産屋或いは土地探しを手伝ってくれる建築業者と連絡をとりあって探すのが一般的でしたが、最近はインターネットからも多くの不動産情報を知ることができるようになりましたので、かなり探しやすくなったのは事実です。
しかし、やはりその土地が持っているいろんな属性が本当に自分の希望にあっているかを検証するのは大変なことです。
都市計画法や建築基準法などの法的な制限や、道路との接道長さ、方位、勾配、地盤強度といった敷地の物理的特性、公共交通機関や学校、病院、店舗などの施設との距離や周りの住環境などなど、検討しなければならないことが山のようにあります。だいいちその土地にどんな住宅を建てることができるのかが目に見える形で提示されないと、なかなか購入にまで踏ん切ることができないことも事実です。
さらに、「これは」という土地が現れても、周囲の人たちからはこんな言葉が聴こえてくる事になります。

「一生に一度の買い物なんだから、土地を買うときは慌てずにゆっくりと考えてから決めないとダメ」

まさしく、的を射た正しい忠告には違いないのですが、他の高額商品と違って、土地の場合にはこの「ゆっくりと考える」という期間をどれだけ取ることができるのかということが問題になります。
例えば、車の新車を購入しようとしているときならば一週間や二週間は余裕をもって検討出来ます。それどころか一ヶ月でも半年でも検討期間を設けることができます。建築業者を決める場合でも時間をとってゆっくり検討する余裕はあります。それは購入対象が逃げないからです。
しかし、土地はどうでしょう。
どんなに良い土地であっても、その土地が売れてしまったら「ハイそれまでよ」という事になります。全く同じ条件の土地はもう二度と現れることはありません。
人気のない土地は売れませんので、ゆっくりと検討期間を設けることができます。そんな土地は不動産業者もわかっていますので慌てて勧めることはありません。(もちろんセールストークとして複数の検討者がいるくらいの事は言うでしょうが)
でも、本当に条件の良い土地は、急いで購入しないとすぐに買い手が先についてしまいます。
そんな土地は不動産業者も「検討中のお客様が多いようですので、今日中には買い付け証明(売り主に対して購入を希望する旨を表明する書類)を出してください」と申込みを急がせてきます。
さあ、ゆっくりと検討したいのに結論を出すのを急がなくてはならない。やはり悩みますよね。
検討をし始めたばかりの人は、こんな時にはやはり踏ん切りがつかないようで、そのままスルーしてしまう人が多いように思います。
でも一度好物件をスルーしてしまうと、新たな土地情報が入ってきてもその前の好物件と比較してしまうので、結局はいつまでも探し続ける羽目にもなります。

じっくり検討したいのに結論を急がないといけない土地探し、一体どうすればよいのでしょうか。
それは土地を探し始める前に、しっかりと購入条件を整理して、いつでも購入できるように準備しておくことです。
購入資金を住宅ローンで借りる予定なら、自分はいくらまで借り入れることができるのかを予め把握しておくことが大切です。

銀行


正式には土地や建物が特定されなくては正確な借入額は決まりませんが、銀行等に相談すれば大まかな目安は教えてくれると思います。
あるいは、これはという建築業者に依頼してダミーの土地にダミーの建物を載せて事前相談(金融機関にいくら貸してくれるのかを問い合わせる事)を受けてみるのも一つの方法です。
そうしておけば、いくらまでの土地なら自分に購入能力があるのかが分っていますので、いざという時の判断が早くなります。
もう一つは、土地が見つかった場合に、すぐに建築相談できる相手を探しておくことです。
知り合いでも、設計者でも、建築業者でも、住宅のセールスマンでもかまいません。候補地に対する建築面での助言をすぐにくれそうな人(できれば、すぐに土地に対する住宅のセットプランを作ってくれる人)をあらかじめ選んで決めておくことです。
この2つの準備さえできていれば、あとはその時に決断力があるかどうかです。
土地を買うということは続いて建物を建てるということで、人生最大の出費を伴う事を決めるわけですから、慎重に事を運ぶ必要はありますが、最後は「清水の舞台から飛び降りる」決心も必要です。
その為の準備を怠らないようにしたいものですね。



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