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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

住宅セールスについて 

「指値すれば安くなる」

物の売り買いに際しては一般的に売り手が値段をつけるわけですが、逆に買い手側が価格提示をすることを「指値(さしね)」と言います。
住宅の建築は一般商品のように売買契約ではなく工事請負契約となりますので、あまり指値という言葉は使わないかもしれませんが、それでも家づくり経験の豊富な方から、「家の値段は業者のいうなりになるんじゃなくて自分の方から指値した方が安くなるよ」というような助言を受ける方もおられるようです。

つまり、業者の見積もりを元に何パーセント値切るかではなくて、最初から「○○○円で頼みます」と宣言して交渉を始めましょうというわけです。
しかし、これではその提示金額に合わせた仕様や設計内容で提案されてくるわけですから、トータル金額は希望通りだとしても内容が希望通りになるとは限りません。
それに最初から上限を決めてしまうと、もう少し金額を上乗せさえすればもっと素晴らしい提案があるような場合でもそのチャンスを潰してしまうことにもなります。
やはり、自分の希望を(もちろん金額面もふくめて)素直に述べて、それに業者サイドからの提案も加味してもらって、設計から見積もりに進んで打ち合わせしながら調整して行く方法が正道だと思います。

指値交渉画面1
でも、このやり方の最終段階で「指値」をするのは値引きを大きくする上で効果的な場合があります。
少しテクニックが必要ですので、それをここで紹介します。

まず、いろいろな打ち合わせが済んだ最終段階の値引き交渉時にしか用いてはいけません。
途中の段階で、つまり初めて見積もりが出たような段階で、「この2580万円を2400万円にしてください」と指値したところで、まだその設計が確定しているわけでもなく契約の可能性があるかどうかも分からない段階では流石に業者の方でも「はい分かりました」とはいえません。仮にそこで「はい分かりました」と言われたところですぐには契約できませんよね。逆に業者から「希望通りに値引きしたのですから契約してくれなくては困ります」と言われたら返す言葉に困ってしまいます。
ですから本当の指値交渉は契約直前の最終交渉でしか用いてはいけません。
指値交渉画面2



次に、その段階で本当に設計面でも仕様面でも工期や支払い方法などについても確定していることが重要です。
つまり金額のみが未定でありその他のことは全て固定されていなくてはいけません。例えば床はフローリング材というだけではまだ曖昧です。フローリング材も高いものから安いものまでピンキリですから、あとになって「あのときのフローリングはこれでした。こちらになると追加金額が発生します」ということにもなりかねません。支払い方法についても「あのときは現金一括払いのつもりで承諾したんですから、支払いが遅くなるようなら追加費用が発生します」と言われる心配もありますね。

最後に、必ず契約という言葉を入れて指値することです。
自分としてはまだ契約という言質をとられたくないという思いで「2580万を2400万にしてくれたら考えます」程度にして業者がオッケーしてくれたら改めてゆっくり考えようということでは、業者の方も思い切った決断ができません。
大きな値引きであればあるほどその決済権限は上位のものになりますので、営業担当者が値引き伺いをするときには「契約」の言葉が必須条件です。
ですから、営業担当者にしても「値引きしてくれたら真剣に検討する」程度であれば自分の権限内での値引き額しか出せないわけです。そこでついつい上に伺いを出さずに「さすがにそこまでは無理ですが、そこまでおっしゃっていただけるのでしたら2480万円にさせていただきます。これが精一杯の金額です」という程度の反応しかかえってこないことになります。
はじめから「2580万を2400万にしてもらえば契約します。無理なら他の方法を考えます。」
とはっきり契約という言葉をだせば、担当者にすれば上司にその判断を委ねることができるのできっと値引きの後押しをしてくれるはずです。
もちろん、必ず成功するわけでもないし、ケースバイケースで値引き金額も変わりますので一概には言えませんが、効果的な方法であることだけは確かです。



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