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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

基礎について 

「基礎高は高いほうが良い」

基礎高は高いほうが良い説明図

「天井は高いほど良い」というのと同じように「基礎は高いほど良い」という言葉もよく耳にします。

日本のように湿気の多い地域では、地面から建物を離すほうが乾燥して生活しやすいために、古くから高床式の倉庫や住居が発達し利用されてきたのはご存知のとおりです。
地面からの湿気を防ぐ以外にも、ネズミなどの害獣や食物を食い荒らす害虫などから遮断する目的で作られた高床式の倉庫などは、なんと地面から1m以上も床を離して建てられていたりしまた。
ただし、やはり住居ともなれば、内外の出入りも頻繁になりますから、倉庫のように時々利用する程度のものは高床式にしたとしても、住居部分は地面と床面の間はそれほど高さを取ることは出来なかったはずです。
長い間洪水の被害にさらされてきた木曽川下流の「輪中」と呼ばれる低地帯では、高床式で住居を作るよりも、毎日生活する住居とは別に、周囲より一段高く土盛りや石垣を積んで嵩上げした地盤に、避難後の生活場所としての「水屋」を別棟で作っていました。日常の便利さと災害時の高床による安心感という二つの相反する問題を上手に解決していたわけですね。

輪中地域の水屋

さて今でも、時々床下浸水するような低地に建てる場合はさて置き、そうでない一般的な地盤でも「基礎は高いほど良い」と言われているのはなぜでしょうか。
考えられるのは次のような理由です。

  1. 地面からの湿気を防ぐことができる。
  2. 床下、つまり基礎内部の点検が容易に行える。
  3. 建物全体が大きく見えて、見栄えがよい。

確かに三つとももっともな理由ですね。
しかし、どんなものにもメリットがあればデメリットもあるように 基礎を高くすることにも悪い点はあります。

  1. 出入りするのに段差が大きくて、バリアフリーに反する。
  2. 建物の重心が高くなるので地震に対しては不利になる。
  3. 基礎工事費が高くなる。

特に1については、最近建物全体についてのバリアフリー化が叫ばれている中、ポーチや玄関の段差を少しでも小さくしたいという要求に反するのはつらいものがあります。

となると、一体、住宅の基礎高はどの程度が適当なのでしょう。
現在一番多く採用されている基礎高がニーズを反映しているものだと考えれば、「一般的な鉄筋コンクリート造の布基礎(或いはベタ基礎)」の値である35〜50センチの間が適当な値と言えるのではないでしょうか。(私的には45センチぐらいがいいのではと思っておりますが)

さて、今「一般的な鉄筋コンクリート造布基礎(或いはベタ基礎)」と言いましたが、これは一階の床下、つまり基礎内部に配管や点検の為の空間を持った一番オーソドックスな住宅の基礎工法の形態です。

スラブオングランド説明図 実は、床下にそういう空間も持たない「スラブオングランド」という工法があります。
これは、外国では結構多く採用されている工法なのですが、平に作った鉄筋コンクリート基礎の上に、直接一階の床を貼っていく工法で、床下空間がほとんど無いために基礎高をグーンと下げることができます。

平板基礎上にすぐに床材を貼るわけですから、地盤面から10〜15センチ程度の基礎高にすることも可能であり、外部からほとんど段差を感じずに室内に入ることができます。
外国のテレビや映画でよくみかける「庭から土足のままでリビングに入るシーン」を思い浮かべていただければ、この工法のメリットもご理解いただけるものと思います。

このスラブオングランド工法はバリアフリー以外でも、地熱をそのまま利用できるので冷暖房効果が高い事や、重心が低くなるので耐震性が高まるなどの利点もあります。
確かに、前述の「基礎を高くする3つの理由」から言えば欠点ともなりますので、この工法の良し悪しは建てる人の考え方次第ということになるわけですが、比較できる工法としてさえも認知度が低すぎるのは残念でなりません。

輸入住宅がブームとなった30年前ぐらいから日本に紹介されてきたスラブオングランド工法ですが、未だに一部のハウスメーカーやビルダーが細々と採用しているぐらいしか目立った実績がないのは、やはり「基礎は高いほど良い」の呪縛から日本人が抜け出せていない証拠かもしれませんね。



基礎高を高くすればするほど玄関の上がり框が高くなる傾向にあります。若い人はそれほど気にならないかも知れませんがお年寄りには問題ですね。
もちろんポーチ周りの高さで解決する方法もあります。
当面は大丈夫だが将来に対する不安であれば、玄関内部で踏み台を使うという方法もあります。


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