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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

構造について 

「構造なんて見てもわからない」

構造なんて見ても判らない説明図

住宅の構造にもいろいろありますが、大きく分けると木造と鉄骨造と鉄筋コンクリート造になります。
また、それぞれの中にも木造ならば在来工法や枠組壁工法などと細かく分類はされるのですが、はっきり言ってどの構造が一番良いのかについては言及しがたいものがあります。どの構造も一長一短があるからです。だからこそ住宅業界でこれだけ多くの構造をもつ住宅業者が乱立していても、みなが一定量の販売数を確保できているわけです。(欠点ばかりが目立つ構造であればとっくに淘汰されてきたはずですので)

そうはいっても、家づくりを始める段階で、住宅会社のパンフレットを取り寄せたり、住宅雑誌を購入したり、展示場で営業マンの説明を受けたりすれば、どの構造の住宅にしようかと迷うのは当たり前です。
住宅各社は自社で採用している構造や工法がいかにも最良の物であるかのようにPRしていますので、あちらを見れば「なるほど」、こちらを聞けば「なるほど」と感心することになりますが、さて実際にどの構造が良いのかを判断するとなると中々簡単なことではありません。 
そんな時に新聞の折込みチラシや住宅展示場の掲示ポスターに「構造見学会のご案内」なるものが目に止まれば、ぜひ一度見てみたいという気にもなるかと思います。
でも、ひょっとして周囲の人からはこんな言葉が飛び出すかもしれませんよ。

「構造なんて、見てもどうせ良くわからないんだから、見学会に行っても無駄だよ」

つまり、「完成した住宅なら見るだけで出来映えも分かり実感もわくけれど、建築途中でまだ梁や柱しか立っていないような現場をみたってなんの参考にもならないよ」というわけです。
過去に自分が行った構造見学会の印象が頭にあるのでしょうが、確かにそれも一理あります。
同じ構造の同じ間取りの住宅を二つの会社が施工していて、その両方を見比べるのなら話は別ですが、異なる工法で間取りも大きさも全く違う現場をいくつか見たからといってその構造の良し悪しを判断するのは、素人には非常に難しい問題です。
構造見学会の現場で「どうです!この柱の太さは」などと自慢されても、柱の総断面積は足りているのか、或いはその肝心の柱が適切に強度を受け持っているのか、などという構造的判断を一般のかたに要求するのは無理な話でしょう。ですから、大概は「あの家の柱は確かに太かったね」「この家の柱は細くて貧弱だったね」という感想程度で終わってしまうのが落ちですので、そういう意味では「構造なんて見ても良くわからない」というのもうなずける話ではあります。

しかし、構造見学会には構造自体の良し悪しを判断する目的以外に、素人でも判断できる大事なポイントがあります。
それは「現場のキレイさ」つまり、整理整頓がキチンとなされているか、あるいは必要な部材がしっかり養生(傷などがつかないように保護)されているかどうか等の現場管理の良し悪しを判断できるというポイントです。
昔から家の出来不出来は現場管理の良し悪しと密接に関係があると言われています。私の経験からいってもこれは間違いないでしょう。ですから、しっかりした家づくりをしてもらえる住宅会社かどうかを判断するためには現場管理の状態を見ることはとても重要です。

構造見学会画像2


構造見学会などを開催するということは、当然、その現場を見てもらえるようにキレイに清掃して好印象を持ってもらうようにしてあります。つまり「よそ行きの顔」に作られているわけで、「現場管理の本当の姿を見ることなんて出来ないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、これが不思議で、日常的に汚い現場で作業する習慣のある建築業者の場合は、前日にバタバタと掃除や片付けをしたところで、どうしても隠せないアラが残ってしまうものなのです。
例えば、慌てて材料や道具を片付けているのでブルシートで覆われている部分が多くなります。つまり、見られても良いように管理された材料や道具などは覆い隠す必要はないわけで、(雨を防ぐ目的以外に)いたずらにブルシートの覆いが目立つ現場はちょっと疑ってかかっても良いかもしれません。
次に、屋内部分の掃除はしてあっても屋外部分には手が回らず、釘や部材などが散らばって落ちている現場があります。案内される屋内部以外に建物の外周部もちょっと覗いてみられることをおすすめします。タバコの吸殻や空き缶、ペットボトルなどが散らかっているようでは問題ですね。同様に床下や見えない部分にゴミが散乱している可能性もあります。それに加えて、その段階で玄関ドアや窓サッシ或いは仕上げ材となる化粧柱などの取付けが済んでいるなら、それらの仕上げ部分に傷がつかないようにしっかりと養生されているかどうかもチェックして見て下さい。過剰な養生は必要ありませんが、職人さんの出入りが激しくて傷が付き易い玄関ドアの養生がいい加減な現場も数多くあります。

本来構造見学が目的の場で現場管理の採点をするのはどうかと思われるかもしれませんが、「どうせ構造なんか見てもわからないんだから」などと構造見学会を軽視せずに、そういった建築業者の建築に対する姿勢を採点することも大きな目的として、是非積極的に参加して見学されることとおすすめします。




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