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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

業者選びについて 

「ハウスメーカーは経費や利益が多過ぎる」

説明図

家づくりをどこに頼むかという時に誰もが考えるのが、ハウスメーカーにしようか、工務店にしようか、それとも地域密着型のビルダーにしようか、という経営規模による比較検討かと思います。
では、ここで言うハウスメーカーとはなんでしょうか?
実は具体的な定義はないのです。
たとえば年間10棟程度の施工実績しか無くても「ハウスメーカーの◯◯建設です」と言われれば「そうなのか」と思ってしまう方も多いことでしょう。
しかし、一般的には以下のように区別されているのが実情です。

ハウスメーカー;全国規模あるいは多くの都道府県にまたがって展開しており年間1000棟以上の施工実績のある建築業者。 かなりの数の住宅展示場をもち、広告による集客力も高い。

ビルダー;地域密着型で年間200〜1000棟程度の施工実績のある建築業者。いくつかの住宅展示場をもち、地域内ではハウスメーカーに近い営業力をもつ所もある。

中小工務店;基本的には大工さん、或いはそれから派生した年間200棟未満の建築業者。ほとんどは年間20棟以下で一人あるいは数人の営業マンしかいない。

もちろん、いずれも厳然と区分けできるものではなく、ハウスメーカーとビルダーの中間のような業者もあれば、工務店に近いようなビルダーもあります。

そして住宅の価格帯としては、一般的にハウスメーカーが一番高く、次がビルダー、工務店は一番安いと認識されています。
もちろんこれも、価格の高い工務店もあれば、ローコスト志向のハウスメーカーもありますので一概には言えませんが、この三者を比較すればハウスメーカーが一番高額であると思われていることは間違いないでしょう。そしてハウスメーカーが高額な理由として「必要以上の経費や多額の利益が商品価格に上乗せされている」と思われていることも事実です。

ですから、これから家づくりを検討しようとする方に、知り合いの方からこんな助言が寄せられるのではないでしょうか。

「ハウスメーカーは経費や利益が多くて無駄に価格が高いので、もったいないから止めたほうがいいよ」

そう言われて、価格帯の安い工務店やビルダーに行って話を聞いてみると、きっと次のような説明が行われることでしょう。

「ハウスメーカーの広告や展示場経費はすごい金額ですよ。あなたが契約したとすると、その内の100万円以上はそういう経費分に充てられているんですから。 当社の建物もハウスメーカーの建物も、実は使っている材料や構造にはなんら差はありません。つまり原価に変わりは無いのに建築金額はべらぼうに高いのです。宣伝などの経費や人件費それに利益などが必要以上に上乗せされているからあんなに高い建築費になるんです。もったいないと思いませんか?」
と、更にハウスメーカーの悪口を言われて、検討することを止めてしまう方も多いようです。

ハウスメーカーの展示場


私は基本的には(上記の3業態とも経験しておりますので)それぞれに一長一短があり、どこでなければいけないとは思っていません。
しかし、一方的に悪口を言われたままで検討対象から外してしまうのはあまりにも惜しいので、ここらでハウスメーカーについて少し擁護してみたいと思います。

まず、広告や展示場などの営業経費について・・

たしかに工務店などに比べたら格段に高い金額を使っていますが、決して必要以上に使っているとは思いません。
自分のところの商品を消費者に正確に知ってもらうには、ある程度の費用がかかるのは当然だからです。
ハウスメーカーにしたって、(これだけ競争が激化してくれば)できるだけ経費は少なくして商品の価格も下げ販売を拡大したいのはやまやまでしょうから、一件あたりの利益を求めるためにわざわざ必要以上の経費をかける理由がありません。 
最近は個人が自分の持ち物をインターネットで販売できるようになってきましたが、一番有名なヤフオクにしたって、販売手数料は商品価格の5%程度です。つまり2000万円の住宅をヤフオクで売るとしたら100万円の手数料が必要なわけですから、その程度の経費は当然かかるものとして考えてしかるべきでしょう。


次に、利益について・・・

企業として永続的な発展を望むなら、最低限の利益確保は当然といえます。
これは顧客にとっても望ましいことで、その業者が倒産でもすればアフターサービスもストップするわけですし、利益がでていれば当然行われるかもしれない欠陥リコールなども、そうでなければ取り上げられることも無いでしょう。
また、余剰利益がなければ新製品や工法の開発や工場等の設備投資に資金を回すことができません。
ハウスメーカーは常に業界の先頭に立って住宅産業を発展させていく使命も負っているわけですから、それを支える利益をあげる必要があるのもまた当然のことです。
激安業者のように「お客様のことを考えて利益を度外視して・・」なんて言ってはいられないのです。

品質について・・

ハウスメーカーの品質管理はやはり規模が大きなところほど優れている傾向が有るのは確かです。保証体制も充実しており、完成後のクレーム対応も良いところが多いようです。
材料の品質も上ですし、作りこみもしっかりしており、現場管理も行き届いているといえるでしょう。

原価は同じか?・・

ハウスメーカーと工務店の原価は同じではありません。
資材の購入については大口顧客と小口では単価が当然違いますので、例えば同じメーカーのシステムキッチンを購入する場合でも積水ハウスの様な大手ハウスメーカーと年間50棟程度の地場工務店では全然単価が違います。
つまり、同じ原価ならばハウスメーカーの方が高級な製品が手に入るので、一般的に工務店よりも質の高い製品が使われる傾向にあります。
下請け工事費についても同様に、ハウスメーカーの方が安い値段で発注できていると思います。
例えば、水道業者や電気業者の工事金額も、工務店には現場ごとの見積もりを出して交渉できたとしても、ハウスメーカーからは予め定められた単価以外は認められない為、交渉の余地は殆どなく、厳しい金額でも受注せざると得ません。

このように、一般的にはハウスメーカーの方が「高級な材料が使われ品質やアフターサービスも良く安心して家づくりできる」という傾向にありますから、はじめから「無駄な経費がかかって高額だから」という理由だけで敬遠したりせずに、候補の一つとして比較検討されることをおすすめします。

最後に付け加えておきますが、前述したようなことはあくまでも「一般的にはそういう傾向がある」というだけで、工務店やビルダーでも上質な材料を使い素晴らしい品質管理をされている所もありますし、ハウスメーカーでも品質が劣りクレーム対応もおろそかな業者もありますので、その点はお含みおき下さい。

有名ハウスメーカーだけが無料で家づくり提案してくれるサービス
もありますので、利用されるのも良いかと思います。




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