本文へスキップ

マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

メインテナンスについて 

「雨漏りが続くようなら瓦の葺き替えを」

雨漏りが続くようなら瓦の葺き替えを画像

屋根は雨風をしのぎ太陽の日差しを防ぐ大切な部分です。
ですから建物の他の部分と比べても耐久性の高い材料を使われています。
瓦屋根はその中でも最もポピュラーなもので、陶器瓦や素焼瓦といった伝統的な和瓦、スペイン瓦やコンクリート瓦などの洋瓦、カラーベストなどのスレート瓦がその代表的なものですね。

それぞれの種類ごとに様々な製品があり、もちろんどれも一長一短はあるのですが、新築時には「これが一番」だと思った屋根材を採用することでしょう。
もっとも、最近のようなハウスメーカー主導の家づくりだと、そのメーカーなり、そのグレードなりの標準仕様が決まっている事が多いので、自分で選べる範囲は色や形状など限られたものになっています。
まあ、それでも新築当初は機能面で不足を感じるようなことはまずありません。
ところが、ある程度の年月を経てくると、屋根材に色あせや割れや苔やカビなどの汚れや、そして雨漏りなどの不具合が発生してくるようになります。
そうなれば、いよいよメインテナンス業者の出番となります。
自分で業者を探して相談する人もあるでしょうが、放って置いてもチラシが入ったり勧誘電話があったり飛び込みで営業マンが訪れるようになり、だいたい以下のような文句を聞かされることになります。

  1. 築後20年から30年ぐらいが平均的な瓦の葺き替え時期です。
  2. 瓦の割れが数箇所ありますから、そろそろ寿命ですね。
  3. 単発の雨漏りなら部分修理で良いのですが、続くようなら瓦の葺き替えが必要です。
  4. 雨漏りで瓦の下地部分がダメになっているので全面葺き替えをしないと家の寿命が短くなります。
  5. 外壁の塗替え工事で足場を組むのなら、ついでに屋根の葺き替えをしたほうがお得です。
  6. 表面からでは雨漏りの原因がどこにあるか判らないので全面的な屋根の葺き替えをおすすめします。

自宅の屋根に不具合がある点だけでも心配な上に専門業者に上記のような指摘をされると、だんだんその気にさせられるのは仕方が無いことかもしれません。しかし、ちょっと注意していただきたいのは、業者の言葉をそのまま鵜呑みにしないこと、それぞれについて次のような反論もできるからです。

  1. 日本の住宅の平均耐用年数(新築してから取り壊すまでの期間)は25年~35年というデータがありますので、大多数は葺き替え工事を一度もしないで終わることになります。築年数が40年以上と長く途中で葺き替え工事をしたことがある住宅の平均というなら頷けますが、それでも20~30年が瓦の寿命だと考えるのは間違いです。
  2. 瓦割れの原因の多くは落下物等の衝撃によるもので瓦自体の経年劣化による強度低下が主原因とは思われません。次に考えられる原因は浸透水が凍って膨張する事による割れですが、これは瓦表面を塗装して防水性を上げることで防げます。
  3. 修理しても雨漏りが続くようならその時に修理が不完全だったか雨漏り箇所が移動したかです。すぐに葺き替えに短絡する必要はありません。
  4. 瓦を剥がさないのに下地の状態がわかるはずはありませんので、多分その業者の推測に過ぎないケースが多いと思います。
  5. ついでにするなら、葺き替えよりも屋根塗装の方がはるかにお得です。
  6. 雨漏り部分の確定にはある程度のノウハウが必要です。ノウハウさえあれば部分修理で十分な場合が多いと思います。

もちろん、実際のケースでは業者がすすめるように屋根の全面葺き替えをするのが最良である場合もあるでしょう。屋根瓦にかなり広範囲なズレがあったり、割れやヒビが頻繁に見られたり、屋根面そのものが波打っていたりする場合は私でも全面葺き替えをおすすめするかもしれませんが、通常は20~30年ぐらいでそこまでなることはありません。

瓦工事写真


築後30年の家で「雨漏りがするから」という理由で屋根瓦の葺き替え工事をした事があります。瓦を全部剥がしてもちろん下地ルーフィングもやり直して新しい瓦を載せても相変わらず同じ場所から雨漏りがする。これは瓦が原因じゃないということで詳しく調べたら瓦と関係のない板金部分にあった小さな隙間が原因でした。このときは先方から先に葺き替え工事依頼が有ったので特に問題にはなりませんでしたが、もっと事前調査を十分に行っておけば余分な工事をしなくても良かったという失敗談です。




トップに戻るボタン

contents