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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

住宅設備について 

「埋め込み収納でトイレをスッキリ」

「埋め込み収納でトイレをスッキリ」説明図

トイレの標準的な広さは0.8~1畳程度と言われていますのでそんなに広い空間ではありません。
(それでも昔は半畳程度のトイレもかなり有りましたから、それと比べれば広くなったというべきかもしれませんが。)

私はトイレの面積はもう2.3割大きくした方が良いと思っていますが、実際に間取りを考えているとその2.3割という面積がなかなか出て来ないのも事実です。
またハウスメーカー等の各住宅業者が自社で決めているトイレの規格サイズというものもありますので、もう少し広くしてほしいと思ってもそう簡単には行かないケースも多いでしょう。

そんな狭い空間であるトイレを少しでも広く使えるようにと考えだされた商品に「トイレ用埋め込み収納」というものがあります。
トイレに必要な掃除用品やトイレットペーパー、替えタオルなどの収納ボックスを壁に直付けするのではなく、壁の厚さを利用してその分だけ埋め込んでしまう製品です。
壁の厚さを利用するわけですから埋め込み寸法もせいぜい10センチ程度なのですが、確かに狭いトイレ内に余分なはみ出しが少ないだけで広々と感じるのは事実です。
インテリア打ち合わせの際にも「埋め込み収納でトイレをスッキリさせてはいかがですか」と薦められることもあるかもしれません。

トイレ用埋め込み収納画像
さてこの埋込収納、これはこれでなかなか良い方法だと思いますが、これを採用する場合に是非とも注意しなくてはならないことが一つあります。
それは音の問題、隣室への音漏れの問題です。
一般的な室内壁は間柱の両側に石膏ボードなどの下地材を張りその上にビニルクロスなどの仕上げ材を貼ってありますが、埋め込み収納を付ける場合はそのトイレ側に貼ってある下地や仕上げを切り抜いてその空間に設置することになります。
埋め込み収納商品の材質は合板や樹脂類が多く使われますが、それら材質の遮音性能は本来あった石膏ボードなどよりも劣るのがふつうです。しかも製品と壁の間に若干の隙間があったり製品そのものに穴が空いていたりして遮音については全く考慮されていないものも多くあります。
本来、そのような埋込み型の製品を取り付ける場合は遮音欠損がでないように、切り欠いた石膏ボードを反対側に増し張りするとか隙間をウレタンフォームやコーキング剤で埋めて音漏れを防ぐ必要があるのですが、現実問題としてそこまで手間をかけて施工している現場を見たことがありません。
よって、隣室が物置や階段下などなら問題は起きないのですが、埋め込み収納をつけた側が玄関ホールや居室だったりすると、あの嫌なトイレの音が筒抜けになるような事態も起こりえるのです。

間取り上どうしてもトイレの隣に居室を設けるような場合には、このような埋込収納をつけないこと、どうしても付ける場合は遮音対策をしっかり取ること、ついでにカラカラ音がでるペーパーホルダー(紙巻器)は反対側の壁に設置するなどの配慮が必要となりますので十分ご注意ください。
トイレ用紙巻器






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