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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

住宅セールスについて 

「私を信じて契約して下さい」

住宅営業活動で最大のヤマ場はもちろん商談の最後で契約をお願いする瞬間です。
中にはなんの障害もなく当たり前のように契約してもらえる場合もありますが、ほとんどは最後でひとふんばりしないと契約には持ち込めまえん。そんな、営業マンがどうしても契約して欲しい時に使う決め台詞に次のようなものがあります。

「これほどお得な条件は金輪際ありませんので逃す手はありません。いまがチャンスです。」
好条件提示営業

「多少はご不安がお有りかもしれませんが、どの方も清水の舞台から飛び降りる決心でご契約なさいます。さあどうぞ。」
清水の舞台

「くどくどとは申しません。とにかく私を信じて契約して下さい。」
土下座営業



さて、初めの二つはさておき、最後の「私を信じて・・」がどうして決め台詞になるのでしょうか。
1つ目は条件を提示して理詰めの説得、二つ目は悩んでいる方への最後の後押しですから営業的には正攻法なのですが、最後は情に訴えかけるだけのもので、この言葉が決め台詞になるのは多分日本だけなのではないでしょうか。

論理的に考えると、契約は施主と営業マンがするものではありません。
当然、施主と住宅会社が契約するのですから、信頼できるかどうかを判断する対象は、営業マン個人ではなく、彼が所属する組織なわけです。
でも、「どうぞ私を信じて」と言われると、なぜかその時は営業マンと所属先が同化しているように感じるから不思議です。
「この人は信用できる」だから「この会社も信用できる」と言うように。

しかし、営業マンは信頼できるが会社は信頼出来ない場合も大いにあり得ます。
そういう場合は情に流されずに、断固拒絶して他を探すことに致しましょう。
どんなにその営業マンが信頼できたとしても、契約した後であっさり担当替えなんてことも十分有りえますし、契約した途端にその営業マンが退職したなんて事もよく聞く話です。

逆に、会社は信頼できるが営業マンが信頼出来ない場合は、その会社を候補から外す前に、会社に担当替えを申し入れる事もひとつの方法です。

もともと、住宅の契約という施主にとっての重大事に対して、情で持って訴えかけるというのは、営業マンとしてはいかがなものかという気もします。

そもそも、古今東西、本当に信頼に足る人間が、本人の利益にもなることに対して「私を信じて下さい」などと情を持って迫る例が、そんなに有ったでしょうか?

人は行いで以って信を問うものであって、言を以ってするものではありません。



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