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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

設計、間取りについて 

「西窓は設けないほうが良い」

西窓画像

日本の住まいは「夏を旨とすべし」というわけで、昔から住宅に西窓を設けることはタブー視されてきました。
夏の西日は強烈な上に差し込む角度も低いため庇などでは遮り難く、その暑さもさることながら、家具や畳などの日焼けを防ぐ意味でも、できるだけ西側に窓を設けるのは避けた訳です。
また、夏を涼しく過ごすための風通しについても、日本では南から北に風が抜ける地方が多く、風通しの為に西窓を作る必要性が無かったこともあるでしょう。
さらに、仏壇を極楽西方浄土側に設けそれに連なって押し入れを設けるという間取りが一般的だったことも一つの理由だったかもしれません。

そんなことで、今でも住宅を新築する時に「西窓は設けないほうが良い」という言葉をよく耳にします。

しかし、実際の家づくりに際しては、前面道路の方向や周囲の建築物の有無あるいは動線や必要部屋数などの設計条件により、西窓を設けたいケースは結構多いことと思います。
「西窓をつければ理想的な間取りができるのに、親や知人からは西窓は絶対に避けるべきだと言われて困っている」という方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは西側の眺望が非常に優れていて是非とも窓を設けたいという場合もあるでしょう。
夏以外なら西日の暑さもそれほど気になりませんし、秋から冬にかけての夕陽は却って名残惜しくさえあります。

夕陽のきれいな景色



さて、この西窓、私もあえて勧めようとは思いませんが、前述のように設置する利点があると思われる場合はそれほど忌み嫌う必要はないと思っています。
なぜなら、昔と違って夏の日差しを緩和する方法や製品が一般化されてきているからです。

その一つは遮熱断熱複層ガラスです。
室外側ガラスにLow-E金属膜をコーティングした複層ガラスで、これは太陽光からの熱を60%近くカットし、日焼けの元となる紫外線を75%程度カットしてくれます。このガラスを用いたサッシの内側に遮光性の高いブラインドなどを設置してやれば、夏の日差しをそれほど怖れる必要は無いと思います。
ブラインド角度の調整により風通しを確保しながら日差しの量を加減してやることが容易にできるからです。

もう一つ、窓の開口部が大きいなどの理由で特に西日を心配する場合は屋外用の遮光ルーバーをお勧めします。
室内用ブラインドも光を遮ることに関しては同じなのですが、窓ガラス内にいったん光を取り入れてから室内側で遮光するわけですから窓のすぐ内側には熱が進入してしまいます。それに対して、屋外用の場合は窓ガラスに届く前の光線をカットするわけですから、遮熱効果はかなり高くなります。
ただし、室内ブラインドと比べると操作性が悪い、汚れがつきやすく掃除もしづらい、製品価格が高いという難点もありますので、その部屋でどの程度の遮光遮熱を期待するかによって採用を検討する必要があります。また、景色を楽しみたい場合は却って邪魔になりますので使えませんん。

参考までに、上記の二つの製品については、建材メーカー[YKK AP]該当製品ページのURLを下記にあげておきますのでご参照下さい。

遮熱断熱複層ガラス
http://www.ykkap.co.jp/products/window/glass/low-e-thermal/

屋外用遮光ルーバー 
https://www.ykkap.co.jp/products/ex/item/series/louver/




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