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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

メインテナンスについて 

「木は腐るので外部には使わない」

ペンキ塗り画像

昔の日本家屋は「木と紙でできている」と言われるくらいでしたから、家の内部はもちろん外部も殆ど木で作られていました。 外壁だって板張りだし、サッシ(そのころはそんな呼び名はありませんが、)だって木製の建具でした。もちろん柱や濡れ縁もしかり。
しかし、今では防火性や耐久性、保守管理のし易さなどから、住宅の外部に木材を使うことは殆ど無くなりました。
家本体だけでなく、外構についても板塀や木柵は無くなりアルミやスチールフェンスが主流になりましたし、木製の門扉や門柱もほとんど見かけなくなりました。縁台や最近人気のウッドデッキにしてもプラスチック製のものが増えてきました。

木製フェンス
たしかに、木よりも金属やプラスチック、セラミック、窯業製品などの方が耐久性もよく保守管理も簡単です。しかし、その代わりに失われたものも有ります。
それは、自由なデザインであり、物としての個性であり、木の持つ温かみであり、古びてゆく物の持つ自然な味わいなどです。
最近はお寺や神社などでも伝統的な木造ではなく鉄筋コンクリートなどで作られるものが増えてきましたが、100年後はいったいどんな姿になっているかと想像すると、何百年も前に建てられて今なおそのひなびた美しさを保っている多くの神社仏閣と比べるのが可哀想に思えます。古くなるとだんだん汚くなっていく物と、古くなるとだんだん趣が出てくるものとの差ということになるのでしょう。

さて、家づくりの段階で、木の良さを味わいたいと外部にも所々木材を使ってくれるように依頼したとします。
すると、ハウスメーカーなど最近の住宅業者のほとんどが「木は腐るので外部には使わないほうがいいですよ」と答えるはずです。

木の外構


確かに、雨ざらしになっているのを放っておいたら、この日本の気候では木は腐ってきます。ても、例え雨に濡れる場所に用いたとしても、適切にメインテナンスさえしておけばかなり長い期間使用できる事も事実なのです。
メインテナンスとは使う場所に応じて必要な塗料や防腐剤の塗布を定期的にしてやることです。

例えば、我が家のベランダの手摺は普通のツーバイフォー材、つまりSPF-38×89で大工さんに作ってもらいました。アルミ製の既製品などに気に入ったものがなかったからです。外部用に防腐剤を注入させたツーバイフォー材も手に入りますが、構造用材料が余っていましたので、本当に普通の内部構造用のSPFです。
大工さんも「これは腐りやすいから辞めておいたほうが良い」とつぶやいていましたが、「まあ10年保てばよい。だめなら作り直せばいいだけだから」と気楽に考えていました。もちろん防腐塗料のキシラデコールを3回塗りして、以降3年から5年置きぐらいに適当に一回塗りしてきましたが、もう20年以上経過するのにいまだに健在です。もちろん表面のヒビや荒れはありますが、このままで行けばまだ10年位はいけるような気がします。
外構のフェンスも同様にツーバイフォー材で、これは流石に防腐注入剤を用いてペンキ塗りをしましたが、これもペンキが剥がれたら塗り重ねるだけでまだまだ頑張ってくれています。一番心配したのは柱の地面との固定部分でしたが、コンクリートブロックの穴に柱を突っ込んで周囲をコーキング剤で3角打ちし、ときどきコーキングの切れをチェックするだけで大丈夫でした。
要は、腐るのを防ぐ為の肝心なポイントさえ押さえておけば、そんなに心配しなくても良いのではと実感しています。
そのポイントとは、次の4つ。

  1. 雨風にさらされる度合いに応じて、適当な頻度で塗料や防腐剤を塗ってやる。
  2. 逆に言えば、雨風にさらされるのにメインテナンスできないような場所には使用しない。(スノコの裏など)
  3. 木材と床などの接地面は直接触れないようにする。(空間を空けるか、コーキング剤等で遮断する)
  4. 木材の表面に雨水が溜まるような形状にしない。(笠木部分に勾配をつける等)

外部に木材が使えるとなれば、いろいろと自由な発想やデザインが生まれるのではないでしょうか。 メインテナンスをそれほど厭われない方であれば、検討される価値は十分にあると思います。




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