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マイホームの新築時に気をつけておきたい注意点

設計、間取りについて 

「勝手口はいらない」

説明図

最近は台所のことを「お勝手」と呼ぶ人は少なくなりましたので、勝手口ときいてもピンとこない方もいらっしゃるでしょうね。
勝手口とは、お勝手(つまり台所、つまりキッチン)に設ける出入り口のことで、家の表口が玄関なら家の裏口にあたるものを言います。
ですから、なにも台所でなくても洗面所でも、廊下の端でも、食品庫でも、とにかく裏口にあたる出入り口を「勝手口」と呼んでいます。

昔は各家に酒屋さん、魚屋さん、八百屋さんなどが出入りしていて、「こんちは〜三河屋で〜す」「は〜い、お勝手に回って〜」と言う具合に大変良く使われていましたが、最近はそういう御用聞きも少なくなり、ましてアパートやマンションなどのように出入り口は玄関一つだけという住生活が当たり前になってきたので、一戸建てを新築する場合にも「勝手口などは必要ないからやめにしよう」という話をよく聞くようになりました。

でも、本当に要らなくなったのでしょうか。
生活スタイルも様々ですから、本当に不要な場合もあるとは思いますが、ここに勝手口の利点をいくつか挙げてみますので、そういう利用の仕方に価値をみいだせるかどうか、一度考えてみてください。

  1. 台所で発生したゴミなどを一時的に屋外に置いておくための出入り口として。
  2. 外部の物置などは通常玄関とは離れた家の裏側に設置されることが多いのですが、その物置と行き来するために。(例えば灯油やビール瓶、野菜のストック、漬物などを取りに行ったりする場合など)
  3. 玄関内に来客がいる時に外出したい場合など。
  4. 子供が汚れた靴で帰ってきた場合などは取り合えず勝手口から入れてしまえば後の掃除が簡単です。
  5. 玄関の鍵が壊れてしまったときに、修理までのあいだは勝手口から出入りできます。(夜遅く帰ってきて玄関キーが壊れていて入れなくなった状態を想像してみてください)
  6. 万一玄関から泥棒や不審者が入ってきた場合の逃げ場として。

いかがでしょうか、ほんとに勝手口は不要でしょうか。

勝手口の形態として、履物をおいておけるように一段低くしてタタキ部分を室内に設ける場合と、室内側のフロアは平坦なままで屋外に履物をおいておくタイプの2つに分けられますが、使用頻度が高い場合は絶対に前者がおすすめです。

それから勝手口を設ける場合は防犯面に注意する必要があります。
玄関扉は防犯対策がしっかりされたディンプルキーなのに勝手口扉は一昔前のシリンダーキーでは明らかに片手落ちですね。

シリンダー錠の勝手口


泥棒は必ず防犯面で一番弱い箇所から侵入しますのでこれだけは注意してください。(サッシメーカーの販売している勝手口ドアのほとんどはシリンダーキーが標準となっていますので、玄関キーと同じキーが使えるように特別に指定されることをおすすめします)
又は、先に上げた利点の5以外については外から解錠する必要性はないので、外部キーを設けるのはやめて室内側だけからサムターンで施解錠するようにすれば防犯性は高まります(この場合も特注対応になるとは思いますが)。

勝手口の必要性は理解できるけど、どうもデザイン上好ましくないとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、勝手口ドアも一般的な腰上ガラスタイプ以外に全面ガラス、全面格子、引き戸等々いろんな種類やデザインのものが販売されていますので、玄関ドアと同じメーカーで「勝手口ドア」または「勝手口扉」でネット検索してみてください。これならと思える製品に巡り会えるかもしれませんよ。




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