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懐かしい昭和の思い出箱

その他 

大好きだった《置き薬》

今でも薬屋さんに行くのが好きで、陳列棚にいろんな薬品が並んでいるのを(別に買う目的もないのに)見て回っているのですが、子供の頃にタンスの上にあった置き薬の箱の中をいろいろ探っては楽しんでいたあのワクワク感は忘れられません。

置き薬は通称「富山に薬屋さん」が届けてくれる家庭用常備薬で、確か半年に一回程度の頻度でそれぞれの家庭に訪問してくれ、その間に使った薬の代金を徴収したり、古くなった薬は交換したり、新商品は追加したりというメインテナンスをしてくれるサービスでした。来訪時には子供用に持ち歩いている紙風船などをお土産にくれるのですが、まあそれはそれで嬉しかったものですが、新しい薬はどんなものを持ってきてくれたのかと母親と一緒になって話を聞くほうが楽しかった思い出があります。

箱の中の薬には、お腹がいたい、風邪をひいた、熱がでた、怪我をしたなどの時には随分とご厄介になったものです。我が家でとくに使用頻度が高かったのは赤チンとトンプクとタコの吸い出しだったと思うのですが、子供の頃は(今考えると不思議ですが)オデキがよく出来ていたので、あのタコの吸い出しには本当にお世話になりました。

今でもこの「置き薬」というのは合理的な良いシステムだと思うのですが、健康保険制度が充実して医療機関も増え「病気になったらすぐ医者に」という風潮に押されたのか、それとも安売りドラッグスーパーが増えて価格競争力が無くなったのか、残念ながら衰退してしまいましたね。富士薬品など数社がこのシステムを続けているようなので、しばらくは興味を持って見守りたいと思っています。

大好きだった《置き薬》

写真:和倉昭和博物館とおもちゃ館

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