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懐かしい昭和の思い出箱

生活用品 

危険な調理道具「かつお節削り」

最近は鰹節といえばすでに削られて袋入りで売っている「削り節」や「花かつお」が主流ですが、昔は鰹がミイラ状になったカチンカチンの鰹節をこんな削り器でその都度削っていました。

この削り器、見たとおり大工用のカンナを反対にしたような格好をしています。
使い方も見たとおり、鰹節を手に持って、あのカンナの刃みたいなやつに当てて押したり引いたりして削ります。削られたやつが下の箱の中にたまるのでそれを引き出して使うというわけですね。

カンナと同じように、人によって上手い下手があり、子供が手伝おうとしても最初はなかなか難しかった記憶があります。
しかし、それ以上にちょっと怖い道具でもありました。 なぜって、指まで削ってしまう危険があるからです。
カンナの場合は自分が刃の付いたほうを持っていますから安心感がありますが、これは刃に対して指を動かすわけですし、特に鰹節が小さくなってくると段々指と刃の距離が小さくなってくるわけですからなおさらです。たぶん、大人でもかなりの数の人がこれで怪我をした事があったのではないかと思います。

そんなわけで最近は余程鰹節にこだわりがある人以外は使わない器具になりましたが、生活道具を上手に使う文化がだんだん衰退するのは少し寂しい気がしますね。

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写真:MieMu 三重県総合博物館

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