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懐かしい昭和の思い出箱

生活用品 

個人宅に普及した頃の黒電話

現在は携帯電話が通信の主体に取って代わったために一般家庭でも固定電話をひかない人が多くなってきましたが、昭和の中期には固定電話をひくことが一種のステータスでした。

テレビもそうでしたが電話もまた裕福な家庭から普及し始めて、周りの家々は急用があればわざわざその家まで電話を借りにでかけたものでした。
予めその家に断っておけば電話呼び出しもしてくれましたので、小学校の緊急連絡先欄に「〇〇様呼び出し」を添えて書き込んだ記憶もあります。今思えば、わざわざ他人にかかってきた電話を何軒も離れた家まで呼び出しに来てくれるのですから、親切な時代でしたね。でも少しは「電話呼び出しをしてあげている優越感」というものも感じておられたのかもしれませんが。

我が家に固定電話が引き込まれたのは昭和35年頃だと思いますが、その頃には回線引き込み需要が供給に追いつかずになかなか順番が回ってこないので、複数の家で同じ回線を共用していました。つまり、どこかの家が電話をかけているとかけられないし、同じ番号にかかってくるわけですから違う家にかかってきた電話なら回してあげないといけないわけです。いったいどうやって回しあっていたのか、その状態はあまり長く続かなかったので忘れしまいましたが、一人一台の現在とは隔世の感があります。

さて、そんな時代の固定電話といえばこの黒電話。そう、家庭用電話機といえばこの黒電話しかありませんでした。大事なものでしたから電話機専用座布団なんぞに載せられてふんぞり返っていたものです。

個人宅に普及した頃の黒電話

写真:MieMu 三重県総合博物館

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