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懐かしい昭和の思い出箱

生活用品 

明るく感じた裸電球の灯り

昭和の灯りといえばやはりこの「白熱電球」ですね。今は蛍光灯から変わってLEDが中心の時代となりましたが、レトロな雰囲気を楽しむ為に飲食店や酒場ではまだ現役として活躍しているところもあるようです。

新美南吉の「おじいさんのランプ」という童話がありました。あの主人公の巳之助は明治の人ですが、それまで使われていた行灯の替わりに灯油ランプを売って一代を築きます。でもそれが白熱電球にとって替わられる運命にあることを知って愕然としますが、その時の一節にこんな表現がされています。「とつぜん甘酒屋の店が真昼のように明かるくなったので、巳之助はびっくりした。あまり明かるいので、巳之助は思わずうしろをふりむいて見たほどだった。」
この真昼のように感じた電球、これが40Wタイプのものだったとしたら明るさは485ルーメン(光源の明るさの単位の一つ=光束)ですから、それまで売っていた灯油ランプの明かり(60ルーメンぐらい)と比較して約8倍の明るさだった事になります。
(ちなみに江戸時代の行灯の明るさは4ルーメンぐらい)

さて時は昭和に変わって、私が子供の頃に我が家の茶の間にも白熱電球に替わって初めて蛍光灯がつけられました。20W2灯用のチェーン吊りタイプだっと思いますが、それこそ「まるで真昼のように」明るく感じた記憶があります。20Wの蛍光ランプは1190ルーメンですから、2灯で2380ルーメン、つまり巳之助が驚いた白熱電球の約5倍の明るさだったわけですから、さもありなんですね。

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写真:近代の産業とくらし発見館

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