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懐かしい昭和の思い出箱

娯楽用品 

よく失くした菊型軟式野球ボール

昭和の子どもは野球が好きでした。テレビで見ることのできるスポーツといえば、野球、相撲、プロレスくらいですから、男の子の遊びの主役もおおよそそんな所だったと思います。 ただ、相撲とプロレス遊びは二人いればできるし広い場所も要りませんが、野球となると人数を集めるのと大きな広場が必要となります。まあ人、数の方は適当に省いてなんとかなったとしても、野球ができる広場はそんなにありません。そこで、どうしても野球よりもあまり飛ばないソフトボールが主流でした。
ところがこのソフトボールはゲームをするには良いのですが、キャッチボールにはあまり向いていませんでした。やっぱり速い球でビシバシとやりとりしたいので、キャッチボールはこの軟式野球ボールを使ったものです。この写真のような菊型はしばらくするとあの縫い目模様と丸いディンプルのついたタイプに変わって行くので、この形のボールを知っている人はもうかなりの年配者だけになりましたが。
で、この軟式野球ボール、やはりキャッチボールだけでは飽き足りず、時どきソフトボールの替わりにこれを使って野球をするわけです。まあピッチャーが下から投げるか上手から投げるかの違いだけなのですが、なんといっても打球の飛ぶ距離が違います。
すぐに飛び過ぎて竹やぶや林の中に入ってしまいます。当然遊びは一時中断して全員でボール探しをするのですが、小さな球ですから失踪したまま帰ってこないやつも結構いました。飛ぶと分かっているのですから加減して打てば良いのですが、やはり子どもですから思い切り振っちゃうんですよね。この写真のボールも汚れや傷のつき具合からみてかなりの失踪体験者であることは間違いありません。

よく失くした菊型軟式野球ボール

写真:和倉昭和博物館とおもちゃ館

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