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インプレッサスポーツで楽しむのんびりカーライフ

車中泊

USBファンで車中泊用換気扇の自作

夏の車中泊で困るのが車内の暑さで、夏はできるだけ標高の高い涼しい場所で行うようにしたいのですが、いつもそんな場所にできるわけもなく、また、ある程度標高が高くても暑いときはやっぱり暑いわけです。
本当はエアコンをかけて寝るのが一番ですが、音で周囲に迷惑をかけるし、ガソリン代も気になるし、第一マナー違反と言われていますからそれはできません。
高容量バッテリーを積んだハイブリッドカーやPHV車などは、そんな心配もなく電池のみでエアコン利用ができるようですが、流石にわがインプレッサにそれを求めるわけにもいかず、しばらくはUSBタイプの小型扇風機を回してなんとかしのいで来ました。
どうにも暑さが我慢できない場合は(虫が入ってくるのを気にしながらも)窓やドアを開けて涼をとるしかありませんでした。

そこで今回、外の涼しい空気を取り込むためのウインドウ用換気扇を自作して見ましたので、それを紹介したいと思います。

4つの条件
自作するにあたっては以下の条件を満足させることにポイントを置きました。

  • 外部から中が見えないように目隠しをする。
    夕食を食べたり晩酌でまったりするのも車中泊の楽しみで、そのために目隠しシェードも自作しているわけで、できればそのシェードと同等の目隠し効果を得たい。
  • 雨の日も使える防水仕様とする。
    夏は夕立も多いので。
  • 冷気を入れて暖気を出すために同時給排タイプにする。
    自動車内という容積の小さな密閉空間ということを考えると、吸気だけ、或いは排気だけでは効率がかなり悪いはずなので、吸気と排気を同時におこなう同時給排タイプとする。
  • 取り付け取り外しが容易でコンパクトに収納できること。

以上の条件を満足させるために、パソコンなどの冷却用に販売されているUSBファンを使うことにしました。
同じようなことを考えている人も結構いるようで、ネット上でいろいろな試みが紹介されていましたので、それも参考にさせてもらった次第です。

では、具体的な制作方法を順に紹介してまいります。
ファンは2連タイプ8センチのUSBファン
まずは、2連タイプのUSBファンを選びます。吸気用と排気用で2台を別々に購入して連動させてもよいのですが、はじめから連動する方が手っ取り早いし、手元スイッチのついているタイプも有りましたのでそれを選びました。
ファンの直径は12センチと8センチのどちらにしようかと迷いましたが、取り付けるものにできるだけ重量負荷をかけたくないので8センチのものにしました。

USBファンで車中泊用換気扇の自作1
窓開口上部に黒のプラダンを使い、下のガラスとの間にパッキンを入れる
取付部は後部サイド窓で(寝ているときに頭の横に来る場所なので)決定済みですが、その開口部にはめる素材は黒のプラダンにしました。
プラスチックダンボールの略なのでしょうが、軽くて安い耐水性の高い材料で同じようなもので作っている人は多くいます。

窓ガラスを半開状態にして、プラダンをその上部の開口部に合わせてカットします。上と左右はガラス溝に入る大きさに、下はガラス上の曲線に合わせた形状にします。素材そのものが軽いので上手くカットすれば上と左右の溝に差し込んだだけで固定できます。問題は下のガラスとの隙間です。 このプラダンは縦横の切断は簡単ですが、曲線カットはなかなか難しいのでガラスの上部ラインにピッタリ合わせるのは至難の技です。(ボックス型の車ではこの部分のガラス上部が直線になっている物が多いのでこの点は楽ですが、インプレッサはゆるい曲線ですからね)
しかも、パワーウィンドウですからガラスとプラダンを密着させるなどはまず無理というものです。 USBファンで車中泊用換気扇の自作2
そこで、ここに5mm~10mm程度の隙間ができても雨を防げるようなパッキンを考えることにしました。
それが下の写真のようなコの字型のパッキンを背中合わせにして逆h型に加工したものです。
コの字型のパッキンはホームセンターで売っていた「安全ガード用」のゴム製のもので、これを両面テープで背中合わせに貼り付けたあと、ハサミで片側の羽を切り取っています。 USBファンで車中泊用換気扇の自作3このパッキンを取り付けたプラダンを窓の上部にはめ込んだあと、ガラスをギリギリ近くまでアップします。そしてパッキンの端をガラス外部にかぶせます。これで雨は防げることになります。
プラダンにファンの荷重はかけられない
これが手動開閉タイプのウィンドウならプラダンの荷重をガラスで支えることができるので、プラダンにファンを取り付けることができるのですが、前述したようにプラダンは上と左右の溝に差し込んだだけで固定されているのでそれができません。
ということで、ファンはラバーシートで作った目隠しシェード側に取り付けることにして、プラダン側は開口部を作ってそこに雨が振り込まないようにシェードを設けるだけにしました。
プラダンにコの字型の切り込みを入れて、下から外部に跳ね上げ、そこにプラダンで作ったシェードをはめ込みます。下の写真を見たほうが早いですね。

USBファンで車中泊用換気扇の自作4
USBファンで車中泊用換気扇の自作5
USBファンで車中泊用換気扇の自作6 これで基本的に雨を防ぐことができますが風が強い時の吹き込み防止に隙間に少しコーキングをうちました。この開口部には内側に虫よけネットを貼り付けました。
これで、この開口部に合わせた位置の室内側目隠しシェードにファンを固定するだけになります。
目隠しシェードにファンを取り付ける
目隠しのラバーシートは厚さが10mmありますから、ファンの外形より少し小さめの穴を開けてそこに押し込んでやればファンはなんとか収まります。しかし、そのまま窓にあてがってもシェードは自立しません。
もともと、シェードは窓枠にはめ込むと同時にガラスに吸盤で止める事によって固定するようになっていたのに、その相手のガラスが無いわけですから当然です。というわけでファンを取り付ける位置の上部に強力なマグネットを埋め込んでおき、窓枠(スチール)に吸着させることによってファンの荷重を負担させることにしました。 USBファンで車中泊用換気扇の自作11
ところが、これではシェードが窓に密着せず、室内側にファンごと垂れてきてしまいます。インプレッサのウインドウが垂直に立っているわけだはなく上部に行くに従って室内側に倒れているので当たり前のことですね。

ファンをマグネットでプラダン側に吸着させる
ということで、室内側に垂れてくるファンを外部のプラダン側に密着させるためにまたマグネットを使いました。
ファンのガードフェンスを固定しているビス部分に穴あきマグネットを取り付けます。そしてプラダン側のその位置に金属片を貼り付けてやればファンとともに目隠しシェードも外部プラダン側に密着しました。

USBファンで車中泊用換気扇の自作7
下の写真は、プラダンの内側に防虫ネットを貼り、ファン側マグネットを吸着するための金属片を取り付けた状態です。
ガラスに当たる部分のゴムパッキンもガラスラインに合わせて固定しました。ガラスラインに添わせるようにしてから、外側を瞬間接着剤で固定してそれが固まってから内側をコーキングしています。
中央部分には補強用としてプラダン片を貼り付けています。

USBファンで車中泊用換気扇の自作8
これでひとまず、完成です。
ということで実際に車中泊をしてその効果を確かめてみました。

かなり目立つ外観だが、肝心の換気効果は及第点
最低気温22度、最高気温30度という初夏のある日、道の駅での車中泊に使ってみました。
写真のようにウィンドウに2つの小窓が出っ張ってついているので、目立つ外観であることは確かです。
しかし、他の車中泊をしている車はキャンピング仕様になっていたり、そうでなくても網戸を設けたりしてそれなりの暑さ対策をしているものが多いので気にする必要はないでしょう。(まあ、デザイン的に改良する余地はありそうですが)

USBファンで車中泊用換気扇の自作10
さて、この換気装置と目隠しシェードをつけて車中泊モードになったところで、換気ファンのスイッチをON。
元気よくファンが回り始めました。この2連ファンには強弱中間スイッチがついていますので、とりあえずは強で換気を行います。
やはり、片方で吸気、片方で排気しているだけあってスムーズに空気の入れ換えが行われている用に感じます。ファンそのものに余分な圧力負荷がかからないので音も静かです。外の涼しい空気もしっかり入って来ます。
ビールを飲みながら夕食をとっているときも、車内に熱気がこもらないので快適です。
もちろん、最低気温28度、最高気温38度というような真夏の酷暑日ではどれだけ効果があるかは不明ですが、まあこれくらいなら合格点をあげても良いでしょう。

涼しさもさることながら結露対策にも有効
寝るときは音の静かな弱モードにしてつけっぱなしにしておきましたので、寝苦しさもなく安眠できました。
車中泊時はどうしても体からでる水分で車内に湿気がこもり、朝になれば室内ガラス面に結露がびっしりつくのですが、この換気扇のおかげでそれをほとんど感じなかったのは予想していなかった効果だけに大満足でした。

USBファンで車中泊用換気扇の自作9

まだまだ改良の余地はありそうですが、とりあえずはしばらくこの換気扇で夏の車中泊をしのぎたく思います。




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