カロッツェリアFH-9400DVSというディスプレイオーディオの画面が小さいという事で、10インチの「Podofo製 ワイヤレスカープレイモニター」を設置した件については「 大型Androidディスプレイ(オンダッシュ)」の項で述べましたが、今回以下の理由により9インチディスプレイオーディオ ATOTO P909PRに変更しました。
理由その1:起動時間が長い
エンジン起動後、1分ぐらいは待たされる。
理由その2:Yahoo!カーナビで問題発生
日を空けて、つまり何日か経ってから起動するとYahoo!カーナビがうまく動作しない。30分ほどして再起動するとやっと上手く動作し始める。(グーグルマップはそうでもないので、これはアプリの問題化も知れませんが)
理由その3:サクサク感がない
全体的に動作がもっさりしている。CPU性能が劣っているのは安価な製品だから仕方のないことですが、androidスマホやタブレットを使いなれていると、どうしても操作感をくらべてしまうので、ストレスを感じてしまいます。
理由その4:カーオーディオFH-9400DVSがこわれた
行き先をインプットしてすぐに出発という時には、小画面は覚悟して、起動の速いカーオーディオFH-9400DVSでAndroid Autoを使っていましたが、突然Android Autoが使えなくなったのです。調べてみるとUSB接続が効かなくなっていることがわかりました。再起動したりUSBケーブルを代えてみたりしても同じで、やはりもう6年も経過しているので製品寿命の一つだと諦めました。
そこで、ドライブ旅行に出かける前に交換しようと思い、いろいろ検討した結果、このATOTO P909PRを選んだというわけです。
選んだ理由は
●ATOTOというメーカーの評判が良いので一度使ってみたかった。
●電源を(ヒューズボックスからの)常時電源とACC電源の両方から取ることで起動が速いこと。
●SIMカードを差し込んで4GLTE回線でインターネット接続できること。
●Android Autoが有線でもワイヤレスでも使えること。
購入に際して、いろいろなネット情報を検索してみましたが、驚くほど多くの情報がYouTubeなどにアップされていました。
ただこのATOTO P9シリーズというのは、いろいろな組み合わせで詳細な品番が区分けされていて、選ぶのに一苦労しました。例えば、SIM利用の可否、リモコンの有無、カメラの有無などで、どの組み合わせが求める品番なのかが公式サイトをみても非常にわかり難くなっています。私はアマゾンで購入したのですが、その販売ページで初めは間違った品番の(リモコンの付属していない)ものを購入して返品する始末となりました。
さて、実際の品物はというと、ネット情報で予想していた通り、素晴らしい商品でした。ATOTOも勿論中国企業ですが、国産製品と比べても決して商品クオリティで劣るものではなく、コストパフォーマンスでは遥かに優るのではないかと思います。
設置方法
取り付け場所は1DIN空きスペースに磁石で固定するという、これまでの方法を踏襲することにしましたが、如何せん商品の背面に取付用ビス穴が開いていないという違いがあり、いろいろ苦労しました。
かなり、悩んだ末に100均のミニブックエンドを利用することで解決できました。
ブックエンドと本体の取付をこれまでのように機械的に固定しようと、初めは附属するアタッチメントを利用して試行錯誤をくりかえしたのですが、どうしても1DIN空きスペースに入り切らないので、あっさりと機械固定をあきらめてアクリル製両面テープにて固定することにしました。接着面積を広くとれたのでかなり強力に固定できました。
ブックエンドの下ベロが空きDINの下に貼ってあるマグネットシートに、上背面板がダッシュボードにアクリル製両面テープで貼り付けたマグネット丁番金具にくっつくという仕様です。
アクリル製両面テープの接着力に頼っていることになりますが、強力なうえに取り外しも簡単で跡が残らないので、最近は結構多用しています。
この方法で一つ問題なのは、本体底面にあるSDカードスロットとマイクジャックをブックエンドが塞いでしまう事でしたが、本体にマイクがあるのでマイクジャックは使わないし、SDカードも頻繁に抜き差しするわけではないので、そのままにして取り付けました。(両面テープなのでいざとなれば剥がせますから)
電源の取り方
今までの10インチモニタのように、この手のポータブル製品の電源はアクセサリー電源から取ることが多いのですが、この製品はヒューズボックスから取る仕様になっています。
なぜなら、高速起動するためにACC電源からだけではなく常時電源からの入力も必要とするからです。
ヒューズボックスからの電源取りは以前のBP-5レガシィ以来で少し戸惑いました。運転席右下の小物入れを外すとヒューズボックスにアクセスできるのですが開口部が小さいので(特に今回は右上のヒューズを利用したので)作業が難しく、結局はその右のカバーを外して行いました。
インプレッサのヒューズの内、どれがACC電源でどれが常時電源なのかは配置表をみれば分かります。
検電テスターで電源の入力側を確かめます。
このP9には異なる4種類のヒューズコネクタが用意されていたのですが、箱から取り出すときに肝心の適合品を取り忘れて3種類の中から一番近いもの(不適合品でした)を取り付けてしまいました。
一応はそれでP9の本体は電源ONできたので、それでよしとして完全にセットし終えたのですが、運転席に座ってエンジンをかけたところエアコンもかからずFH-9400DVSも起動しません。
実は、「取り外したヒューズ」を「交換するヒューズコネクタ」に差し込んで元の回路も生かさなければならなかったわけです。ところが不適合コネクタですから、外したヒューズを差し込むことができません。ここまで来て再度取説(紙媒体ではなくWEB媒体)と梱包箱をみなおしたら、もう一種類コネクタがあることがわかり、再度やり直しすることになりました。全く大変な時間のロスでした。
正しく接続した写真がこれです。
音声出力について
このATOTOP9は4種類の音声出力をサポートしています。
●P9本体のスピーカー (音質が悪いので使う気がしません)
●FH-9400DVSとつないでのブルートゥース接続 (安定しない)
●FMトランスミッターとしてFH-9400DVSのラジオから (上手くいったが走行中の雑音が心配)
●FH-9400DVSとつないでAUX出力
もちろん、一番安定しているAUXを使おうとしましたが、まったくFH-9400DVSから音が出ません。
これはP9付属のケーブルを使わずにこれまでの既存配線を利用したためでした。
もう一度FH-9400DVSを外して正規のケーブルを裏側の端子に直に差し込んで解決しました。
初期設定
取付後の初期設定はWEBマニュアルを見ながら行いましたが、タブレットなどのandroid端末とは異なるユーザーインターフェースが使われているので、いろいろ試行錯誤しながら行いました。
(ATOTOナビ設定(記録しておくと役に立つ)というサイトが大変役に立ちました。
(これはATOTO A6PFという機種に関するものですが、まあ基本的には似たようなものでした。先人に感謝。)
この製品は一度車に取り付けてしまうと(ヒューズ電源に接続する仕様なので)その後の設定が大変だろうとは解っていたので、あらかじめ室内机上にてポータブル電源に接続していろいろ試してから、車に取り付けました。
しかし、いざ運用し始めると様々の問題が現れて、それを解決するのにかなり苦労をしました。
それらの点について、(備忘録代わりに)説明してまいります。
設定に苦労した点
●「電話の接続を待っています」とだけ表示される黒画面で停止
これはスマホとブルートゥース接続をしてAndroid Autoを起動する際に、うまく接続できなくて接続待ちになっている状態なのですが、(この状態からUSBでスマホをつなげればAndroid Autoは起動しますが)ワイヤレスの場合はいつまで経ってもこの画面から抜け出せなくて困りました。いったんその画面から抜け出したり、再接続を試すなどのアクションが取れればよいのですが、電源を切るしか方法がないと思ったのです。
カスタマーサポートに質問した際にも「P9の後ろにある「リセット」ボタンを押すか、エンジンをオフにして再起動することでしか退出できません」との回答がありました。
これは、いろいろ試行錯誤している途中で「画面を上から下にスワイプしたら上端にアクション選択アイコンが現れる」ことがわかり、それでホーム画面にはたどりつけましたが、なぜスワイプしないと現れない仕様にしたのかは疑問です。
次に、本体起動時に必ずこの黒画面が現れるのがうっとおしいので、これもサポートに質問して、「Bluetooth 1アプリに入り、スマホマークを選び、その右下にある「アクティベーションボタン」をOFFにする」ことで解決しました。こうしておけば本体起動時にすぐスマホと接続しようとするのではなく、Android Autoアプリを起動して初めて接続しようとするわけです。
●マップの表示が小さすぎて読みづらい。
実際にナビを使い始めて気が付いたのすが、マップの表示エリアが大きくなったのは良いのですが、文字表示が小さすぎて非常に読みづらいのです。前のPodofo製のものはとても見やすかったのですが、これは画面解像度の違いのせいなのだと分かりました。
しかし解像度を落とそうとしても設定項目にそれらしいものがありません。
やむなく「ショートカット+」というアプリを利用することにしました。
「ショートカット+」のアクティビティ「開発者向けオプション」で画面最小幅をデフォルトの720から480に変更したらとてもみやすくなりました。 たしかに表示領域は小さくなりますが、老眼の私が運転中にみるにはこの方が絶対に適しています。
●リモコンの音声ボタンが効かない。及びGoogleアシスタントが使えない。
はじめは音声ボタンが壊れているのだと思いました。Googleアシスタントも設定しようとすると「このデバイスではGoogleアシスタントは利用できません」と表示されて、最初は仕方ないかと諦めていました。
しかし、先に述べた「ショートカット+」を思い出して、アクティビティ「Googleアシスタント」から設定したらうまくいき、それに伴いリモコンの音声ボタンも使えるようになりました。
●電源ボタンがないので運転中に画面をOFFにできない。
Podofo製のものは上に電源ボタンがあったので、使わないときは簡単に画面OFFにできたのに、この機種は電源ボタンがありませんので、不要の際は画面の明るさが目障りでした。
これについてはリモコンの音声ボタン長押しで解決できたのでそれは良いのですが、リモコンの付属していない製品の場合は困ると思います。
●紙のマニュアルがない(WEBだけでは不便)
資源節約のためとはいえ、紙のマニュアルがないというのはとても不便でした。車に取り付けてから設定するとなると手元のマニュアルを見ながらという事になるのですが、スマホでWEBマニュアルを見ながらというのはやっぱり不便です。それにATOTOも以前はマニュアルを同梱していたようなのに(この商品の販売ページにも詳細マニュアル同梱と書いてありました)勝手に省略されており、これは残念でした。
WEB検索して分かったのですが、以前の商品のマニュアルには以下のようなジェスチャー操作について掲載されていたらしいのですが今回私が見たWEBマニュアルには載っていませんでした。これはとても重要なことなのに、です。
●オートディミング機能がじゃま
この製品にはオートディミング機能(オートディマーと称する光センサーが背面上部についていて周囲環境に合わせてディスプレイ輝度を自動調整する)がついているのですが、私は暗い環境でも明るい画面を見たい派なのです。
一般の車載ナビやナビアプリなどにもそれらしい機能がありますが、それを利用するかどうかは設定で選択できるようになっています。ところがこの製品ではそれができないので困っていました。
どこかに設定項目があるはずだと「ATOTO オートディマー 設定」などとWEB検索して見ましたが、結局分からず。
実はこれも、その後カスタマーサポートに問い合わせて解決しました。
「画面を下に2回スライドさせて明るさバーの左側にあるAの文字をクリックし自動明るさ調整機能をオフにする」というものでした。
最後に
この製品の仕様をDroid Infoアプリで確認したので、以下の写真でご確認ください。
さて、いろいろ不満点なども書いてきましたが、概ねこの製品には満足しています。
ユーザーインターフェースや細かい使い勝手についてまだまだ改良の余地はあるとは思いますが、この価格でこれだけのクウォリテイがあれば、そんなに贅沢は言っておれません。それなら国内メーカーのものを買えばいいじゃないかといわれるでしょうし、例えそう考えたとしても、今現在国内メーカーでこれに代わるような製品は見当たりませんし、仮にあったとしても倍くらいの価格になるように思います。
最後に、このメーカーのカスタマーサポートは素晴らしいです。下手な国産メーカーよりも対応がスムーズです。
何度か別の中国メーカーのサポートに問い合わせたことはありますが、「AかBかどちらか教えて」という質問に「それはCです」との返答が来たり、300字ぐらいかけて詳しく問題個所を説明しているのに「こちらに間違いはありません」の一点張りで片づけられた経験があります。
中国メーカーであるにも関わらずこの会社のサポート対応は特筆すべきことだと思います。