災害に備えてソーラーパネルを設置しようとする際にどうしても気になるが発電量です。
災害時にソーラーパネルで発電してポータブル電源やモバイルバッテリーに充電し、それをどう活用するかについては以下のページをご参照願いたく存じます。
ここでは実際にどの程度の発電量が得られたのかを、具体的な数値でご紹介したいとおもいます。
前記参考ページ5でご紹介した100Wのソーラーパネルの実測値となりますが、充電先はその時の FLOUREON F300 ではなく、Jackery ポータブル電源 240 にしています。
どちらのポータブル電源もMPPTチャージャーを内臓した12V入力端子を備えているので、充電能力は同じだと思いますが、FLOUREONは充電インジケータが8段階目盛りだけなのに対してJackery はW数がパーセント表示されているので、こういう測定に向いているのです。
ではもう一度、設置環境についてご説明します。
ソーラーパネルは RENOGY RNG-100D-SS という100W出力の製品で、35度勾配南向き屋根についている天窓の内側にガラス面から4センチほど離して設置しています。
そこから出ている約60cmのMC4ケーブルにMC4コネクタを両端に取り付けた約10mのVVFケーブルを介して、Jackery ポータブル電源 240の入力端子に差し込んだ約1mのMC4ケーブルに接続しています。
天窓は合わせペアガラスを使っていますので、実際の日射量の2割程度はカットされていると思います。さらに天窓の枠が朝夕の入射角が低い時刻は影を作っています。そしてケーブルの電圧降下やガラス面についたホコリなどの影響もありますから、ソーラーパネル自身の実力からすると6割程度の発電量しか得られないとは予想していました。
さて、この状態で4月の2週間、毎日適当な時刻に発電力を計測して記録し、時刻と天候で1時間当たりの電力(発電量)をザクッとまとめたのが以下の表になります。
「ザクっと」というのがちょっと引っかかるかも知れませんが、天候を判定するのは本当に難しい上に、測定時刻も毎日一定ではないので、どうしてもそうなるわけで、これはご容赦いただくしかありません。
各時刻の発電力、つまり各時刻のワット数がその前後30分間ずっと同じ値であると仮定して合計発電量を求めています。
この結果を元にして、万一災害が発生したときは、現在の蓄電量とその後の天気予報から、使用できる電気機器やその使用時間を想定することができます。
ソーラーパネルを外部に直接設置したり、太陽に直面させたりすれば、これよりかなり高い結果がでることは間違いありませんので、いざというときのために最も効率の良い設置方法も検討しておきたいと思っています。
本サイトの災害写真の出展は「消防科学総合センターの災害写真データベース」によるものです