建物の応急修理に必要なものを備蓄しておく
災害により家屋に何らかの損害を受け、その本格的な手直しが行われるまでその家で被災後生活を続けていくなら、当然応急的な修理や補修が必要になります。
とはいっても、電気やガスや給排水系の修理などは素人では無理でしょうし、却って素人が行うと危険なものもありますから、とりあえずは雨風を凌ぐことに焦点をあてて考えて見ることにしましょう。
具体的には、台風や地震で屋根材や外壁に亀裂が生じて雨漏りがする。或いは窓ガラスが破損して風が吹き込むなどの被害に対処するための工具や材料を備蓄しておくことです。その他に、建て付けが悪くなった建具を直したり、余震に備えて家具や大型家電の転倒防止を図るなどの対策をとる必要があるかもしれません。
一般家庭ではすでに、金槌、釘抜き、のこぎり、ペンチ、ドライバー、キリ、カッターナイフ、ビス釘類などは常備品として用意されていると思いますので、それ以外のものに的を絞ることにしますが、そういう常備工具で足りないものがあれば、この機会に併せて用意されることをおすすめします。
また、ビニールシートや布製ガムテープなどの生活備蓄品としてすでに備蓄リストに載せているものは省いています。
選定条件 | 選定商品 | 選定商品 |
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50mm幅×20m長さ 片面タイプ |
50mm幅×20m長さ 両面テープ |
粘着性の高いブチルゴムをテープ状にしたものです。どんなものにもくっつき安く防水性が高いので、ひび割れ等がおきた漏水部分に張ることで簡単に雨漏れ等を防ぐことができます。
ひび割れ部分が蛇行していたり、穴が空いたりしている場合は細幅テープでは覆いきれないので、幅広タイプを用意して置いたほうがよいでしょう。
また、重なり合う部分に使用したりする場合は両面粘着タイプが有利です。両面タイプは、広範囲を覆うためのビニールシートの固定にも役立ちますので、是非揃えておきたいアイテムです。
選定条件 | 選定商品 | 選定商品 |
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液状製品 塗面積(2回塗り):約5㎡~5.5㎡ |
フッ素樹脂エマルジョンでできている粘性タイプの防水材 |
止水したい対象物が面状の場合は、テープ状の防水材よりも塗るタイプの方が遥かに便利です。
作業性は少し劣るものの、凹凸があるような部位にも使えます。
また、雨後でまだ対象物が濡れているような場合でも、選定商品のように、そもそも水で薄めて使用する製品なら使用可能です。
選定条件 | 選定商品 | 選定商品 |
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シリコン系コーキング材 | コーキングガン |
どんな隙間を塞ぐにしても応用範囲が広いのがコーキング材です。隙間ふさぎは勿論、接着性もあるので2つの材料をジョイントすることも可能です。
コーキング材の種類はいろいろありますが、応急的な処理に用いるならば価格のやすいシリコン系でどの色にも合わせられるクリア色の物が一番使い勝手は良いと思います。
ただし、対象物の表面が汚れていたり濡れていたりすると満足な接着効果が得られないので注意が必要です。ただ、多少水気が残っていても雨漏れ防止の応急的な修理であればなんとかなります。つまり、雨が降っている中で瓦の割れを補修する程度ならその役目を果たします。恒久的に補修するなら一度剥がして下地調整してから行うとよいでしょう。
選定商品のようなコーキングガンを使うタイプが一番経済的なのですが、本当に細かい部分になるとコーキングガンそのものが邪魔になります。そんなときは小容量のチューブタイプが便利です。
選定条件 | 選定商品 | 選定商品 |
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プラダンシート 巾900mm ×長1200mm 厚5mm 5枚セット | 透明タイプ カッター付き |
窓ガラスが破損してとしてもすぐにガラス屋さんがきてくれて直してくれるとは限りません。瓦が一枚飛んで無くなってもすぐに瓦屋さんが来てくれるわけではありません。
そんなときにガラスの代わりや瓦の代わりとして手軽に使えるのがプラ段です。プラスチックですから勿論雨にも強いし、なんといっても自由な形に切断するのにカッターナイフ一つあればよいというのが助かります。
割れたガラスをすべて外してプラ段に入れ換えても良いし、部分的に上から重ね張りして梱包テープで固定しても良いと思います。
梱包用の透明テープは価格が安い割にどんなものにも貼り付けやすいので材料の一時的な固定や補修には大変便利です。
プラ段を割れた瓦の代わりに利用するなら、瓦の大きさに切ったものを周囲の瓦に差し込みコーキングで固定してやればしばらくは雨を凌ぐことができます。
選定条件 | 選定商品 | 注目商品 |
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扱いやすい被覆針金 線径1.6mm、長さ20m |
丈夫なステンレス製ヒートン |
転倒した家具や大型家電を立て起こしても余震などでまた被害を受ける心配があります。本当はしっかりと金具などで固定したほうが良いでしょうが、その余裕がない場合は、とりあえず針金があればなんとか固定できます。固定したい家具などに針金を固定する穴がない場合はヒートン(無ければビス)をねじ込んでそれを基点に固定します。
針金は余り太いと扱いづらくなりますし余り細いと強度面で心配もあります。素人で一番扱いやすくかつ強度もあるのが直径1.2~2mm程度のものだと思います。