『これからの備蓄は「乾電池」より「モバイルバッテリー」』で、USB給電型のLEDライトが安く売られているので、被災後の明かりは、それとモバイルバッテリーとの組み合わせをおすすめする、という内容の記事を載せました。
では、実際にどの程度の明るさで何時間持つのかを検証したくて100円均一ショップでLEDライトを購入して調べてみました。
実証に使ったLEDライトはセリアで販売していた「10SMD電球型USBライト」というものでメーカー名は「株式会社グリーンオーナメント」と記載されていました。もちろん「MAED IN CHINA」の記載もありましたが最近の電化製品でこれはお決まりですね。
点灯はライトに付いている1mのUSBコードをモバイルバッテリーに差し込むだけです。スイッチなどコストがかかる部品が付いていないも低価格化が実現できている理由でしょう。
肝心の明るさはというと、これは予想していたよりかなり明るいのでびっくりしました。製品にも外箱にも光束表示がされていませんが類似品の仕様をみてみると150ルーメン程度のもののようです。
昔の白熱電球であれば40W のものが485ルーメンですから、その1/3くらいの明るさという事になります。
実際に180センチ離れた箇所の照度を測ってみると、40W白熱電球が34ルックスなのに対してこのLEDライトは16ルクスありましたので半分弱程度という結果になりました。
JISにおける住宅寝室全般の推奨照度は20ルクスですから被災生活で必要な明かりという観点から言えば十分過ぎる明るさでしょう。しかも感覚的には、色温度が高い(昼白色ていど)ので白熱電球よりは明るく感じるのでなおさらです。
ちなみに、月明かりが1ルクスといわれています。
8畳部屋の天井に付けてみましたが、暗いのは当然として、普段どおりの生活を営むのに差し支えない程度の明るさは十分確保できています。直下であれば暗いなりに本を読むこともできます。
次に点灯時間ですが、これは接続するモバイルバッテリーの容量によって決まります。
手元にあった4つのモバイルバッテリーにつないで各々の点灯時間を測定してみました。
その結果は以下のようです。
バッテリー容量 (mAh) |
点灯時間 | 1,000mAh 当たりの時間 |
---|---|---|
2,500 | 1時間50分 | 44分 |
4,000 | 3時間45分 | 56分 |
5,000 | 5時間45分 | 1時間9分 |
10,000 | 11時間10分 | 1時間7分 |
低容量のバッテリーは古いものでしたし、新しいものでもバラツキがあるでしょうが、おおよそ1,000mAh当たりで1時間以上点灯するものと考えても良さそうです。
となると、20,000mAhの容量があれば20時間ですから、一日5時間点灯として4日間は持たせられそうですね。
とにかく、この製品の最大のメリットは明るいくせに価格が安いことです。
実際に停電が何日も続く時の夜の過ごし方を考えて見てください。ダイニングやリビングだけが明るければ良いわけではありません。子供部屋にも寝室にもやはり明かりは欲しいわけです。それも懐中電灯やロウソクの明かりのように「見えれば良い」という程度ではなく、まがりなりにも普通の生活(たとえば本を読むとか)が行える明るさが望まれます。
このような安価な製品なら、予算を気にせず気軽に必要な数量を備蓄して置くことができます。モバイルバッテリーも今後ますます高容量低価格化が進むはずですので、停電時の明かりの確保にはこの組み合わせが最強なのではないでしょうか。
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