梱包用のハンディラップというものを御存知でしょうか。
食品用のサランラップとかクレラップと似たようなものですが、食品用が主に30cmか22cmの幅で30m~50mの長さであるのに対して、梱包用は10cm幅で150m程度の長さが主流となっています。
ラップ同士を重ねると自己粘着性があることを利用して対象物をぐるぐる巻きにするわけですが、紐のようにしばる必要がなくゆるんでくる心配もありません。また、テープのようにベタつきもなく痕が残ることもありませんし、対象物を傷や汚れから保護する効果もありますから、使い慣れるとなかなか便利なアイテムに違いありません。
そしてこのハンディラップは災害時にもかなり活躍してくれるアイテムですのでここに紹介したいと思います。
災害時には切り傷や骨折、火傷などに対して緊急医療措置を取るケースもでてきます。
そんなとき、ハンディラップは包帯代わりに使うととても重宝します。なんといっても患部をぐるぐる巻きにするだけで簡単に外気や水からも保護してくれるからです。
勿論、患部を消毒してガーゼや絆創膏で保護した上からラップするに越したことはありませんが、もし、そういったものが何もなく急いで止血する必要があれば応急的にそのままラップしてしまっても良いでしょう。
いずれにしても、応急措置のあとは出来るだけ早く医療機関にて専門的治療を受けるようにしたいものです。
真冬の被災生活がつらいものがあります。できるだけ多くのものを着込んで暖を取りたいところですが、あまり着込んでは生活行動に制限がでてしまいます。
そんなときに効果的なのが、お腹にタオルや新聞紙などを巻いてその上からハンディラップで覆ってしまう方法です。ハンディラップは空気を通しませんからその分保温効果が高まるのです。ただし汗をかくとその逃げ場がなくなるのでラップ周囲は完全に肌に密着させないほうが良いかもしれません。
もちろん、お腹以外の部位でも有効で、特に足先などは簡単で効果があります。
ハンディラップは簡易的な防水材料としても役に立ちます。
例えば雨天時の屋外でラジオやランタンを使いたいときにはこれでくるんでやれば少々の時間であれば濡れることはありません。屋外移動時にスマートフォンなどを濡らしたくない時にも役立ちます。
雨天避難時のリュックやバッグの簡易カバーとしても利用できますね。
非常持ち出し品の中でタオルや下着などの衣料品はどうしても膨らんでしまうのでバッグやりユックに詰める時に苦労します。これらは予め圧縮しながらハンディラップでくるんで置けば非常にコンパクトに収納できます。しかも防湿効果も期待できますので一石二鳥です。
その他、どうしてもバラバラになりがちな救急衣料品や歯ブラシなどの衛生用品をまとめてパッキングするにも役立ちます。また、乾電池などもこれでくるんで保管して置けば放電も抑えられるし液漏れで他の品物を汚す心配もなくなります。
食器を水洗いできないときには、予めラップで食器の表面を覆ってから使うようにすれば、あとは剥がして捨てるだけですからとても簡単に処理できます。
この用途であれば本来は食品用ラップが衛生面でもおすすめですが、間に合わせで良ければ充分代用できます。
本サイトの災害写真の出展は「消防科学総合センターの災害写真データベース」によるものです