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 聴覚障害を扱った物語


四つの終止符

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西村京太郎 作

貧困な家庭に育ち、不治の病に侵された母親の看病をしながら、同僚からは「ツンボ」と仲間はずれにされ、薄給のうえに、雇い主からは「慈善事業で仕方なく雇っている」とまで蔑まれながらも、小さな町工場で黙々と働く聴覚障害の少年、佐々木晋一。

場末のバーに時々あらわれてビールを一本だけ注文して帰るこの少年が、聴覚障害であることに感づいたのは、同じ障害を持った弟を持ち、その弟を恥ずかしく思って避けるようにした為に、取り返しの付かない、悔やんでも悔やみきれない過去を持つ、バーの若い女給(今ではもうこの言葉も死語になっていますが)幸子でした。

この少年の身に、そして幸子の身におそいかかる辛く不幸な事件と、その後の思いがけない展開・・・・・ 

聴覚障害者に対する世間の見方や国の施策に対しての痛烈な批判とともに、推理小説としても第一級と折り紙をつけられたこの小説は、読み進むにつれて、聴覚障害に対する健聴者の理解の難しさをしみじみと考えさせられます。

では、その中の心に残る一節をご紹介しましょう。

ふたりは、「城東のしおり」をもらって、ろう学校を辞した。
校庭を子どもたちが、駆け回っていた。どの顔も、驚くほど明るかった。
身体障害者とか、聾児ということばから受ける、暗い、じめじめした空気は、そこにはなかった。あるのは、普通の、どこにでもある子どもの世界だった。
身体障害者とか、聾児ということばから、暗い、陰惨なものを感じるとすれば、それは、一般の人々が、かってに作り上げたイメージだ。
人々は、そのイメージを、聾児たちに押しつける。押しつけらたかれらは、しだいに、イメージどおりの人間になってしまうのではあるまいか。
時枝は「菊」に現れた佐々木晋一の暗い、陰気な顔を思い出した。
あの顔は、かれを取り巻く人々が、作り上げたものでは、なかったのだろうか。


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