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聴覚障害者の方が外出して、全く知らない人と意思疎通をしようとする場合の第一歩は「自分の耳が不自由なことを相手に分かってもらう」ことではないでしょうか。
足の不自由な方や目の不自由な方であれば、一目見れば障害のある方と分かりますので相手もそれなりの対応ができるのですが、聴覚障害の場合は、その人を見ただけでは全く判らないのが問題となります。
そこで、パッと見てすぐに「この人は耳が不自由だから・・」と思ってくれるようなハッキリした目印が必要になるわけです。
目が不自由である旨を書いたカードをぶら下げたり、そういう文字を書いたTシャツを着るなんてのは確かに効果はあるかもしれませんが、格好悪くてやってられませんね。
そこで役に立つのが「聴覚障害者であることを示すマーク」です。
一目見ればすぐに分かるマーク(しかも格好良い)を身に付けることによって、周囲の人がその旨を理解してくれるようなマークがあればどんなに心強いことでしょうか。
これは世界ろう連盟(World Federation of : WFD)が定めた、聴覚障害者を示す世界共通のシンボルマークです。
但し、障害保健福祉研究情報システム(DINF)のHPによると、このマークについては2003年に行われた世界ろう連盟会議をもって使用を取りやめており、新たなマークについては現在思案中だとのことですが。
とはいっても、今でも、ある程度の認知度があります。
こういうマークと言うものは広く普及させて認知度を高めるのが目的であり、「国際シンボルマークは、これを普及させ、その目的を広く知ってもらうため出版物その他のメディアに転載することは許可する」という姿勢は頷けます。
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が定めたマークです。
連合会によると「中途失聴・難聴者を表すマークではなく、聞こえない人々の存在と立場を社会一般に認知してもらい、コミュニケーションの配慮などの理解を求めていくためのシンボル」だと言う事ですので、聴覚障害の方が身につけて「障害者であることをアピールする目的」で制定された訳ではないようです。
であれば、「中途失聴・難聴者を表すマーク」を早く制定して、広く普及させていただきたいものだとおもいます。この耳マークはどうもデザイン的に好きになれませんので、小さな女の子が胸につけても似合うようなデザインを期待しています。
(それから、マークを利用するのに許可が必要だとかいうような閉鎖的な姿勢には強い疑問を感じます。認知度を高めるためにはそういうバリアこそ排除すべきです。)
これは自動車の初心者マークと同じように、車両の目立つ位置に掲示して聴覚障害ドライバーであることを知らせるための標識です。
本当は「聴覚障害者であること」ではなく、「本来の運転免許の取得条件に合致しない聴覚障害者のうち、ワイドミラーを設置するなど特定の条件をクリアすることによって免許を取得した人が義務として車両に掲示しなくてはならない標識」です。
人呼んで「ちょうちょマーク」というそうですが、確かに蝶々に見えますね。
2008年の道路交通法改正によって初めて認知されるようになってからまだ日も浅い為、あまり知られていないのが実情ですが、これまでは運転は無理と諦めていたは聴覚障害ドライバーも今後は益々増加していくでしょうから、認知度も上がってくる事と思います。
デザインも先の「耳マーク」よりも断然良いので、ひょっとしたらこれが「聴覚障害者を表すマーク」として一般化するのではという期待もあります。
その場合は、車椅子などの障害者マークで見慣れている「青と白の配色」にする方が良いかもしれません。(こんなバッジなら着けていても恥ずかしくないのでは)
上記の「国際シンボルマーク」も「耳マーク」も、残念ながら、このページの冒頭で書いた「一目見れば聴覚障害者であることがすぐに分かるマーク」としては機能していません。
期待の持てる「蝶々マーク」もどこまで認知度が上がるかという心配も残っています。
そこで、僭越ながら、本サイトで新しい「聴覚障害者マーク」を提案させていただきたいと思います。
コンセプトは
◎ 直感的に「耳が不自由であり、助けを必要としている」人であることがわかる
◎ だれでも簡単に描ける
では、早速ご紹介いたします。
左のような図形がそうです。
数字の3、と音波のような図形、そして手の形
この3つで成り立っているマークです。
数字の3は、勿論、耳の形を表します。
音波図形は聴くという行為を表します。
手の形は、耳に添えて聞こうとする姿勢、或いは
音波がストップしている状態、或いは
聴く事に対して手を貸して欲しい
という意味を表します。
ですから、当然,、下のようにアレンジしても同じマークです。
数字の3、そして線が2〜3本、そして手の形
このように並んでいれば「聴覚障害者マーク」です。
線が2本で矢印状になっていて、手の形が横を向いていても、色が変わっていても、例え手書きでだって、どれでも オッケー です。
もちろん、意匠登録もなければ、使用許可とかの煩わしい制約も一切無し。
こんなマークが普及して、誰もがすばやく「耳が不自由であること」を認知してくれるようになれば良いのですが・・・(下のようなバッジの通信販売でも始めましょうか(^^))