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 聴覚障害を扱った物語


天国のベル

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石田衣良 作   短編集「約束」の中の1編

ある日突然に耳が聞こえなくなった少年に起こる不思議な出来事のお話です。
二年前に夫を交通事故でなくし、その後、女手ひとつで幼い子供を育てている母親尚美は、ある日突然、小学校4年生の雄太から「耳が聴こえない」と訴えられて動揺します。
あわてて病院に連れて行き、いろいろな検査をしたものの、医師からは身体的な異常はないと言われて心療内科に行くことを奨められます。
精神的なショックにより耳が聞こえなくなるという事態に思い当たる原因は・・・2年前の夫の死がその原因になるなんてことはあるのだろうか・・・・

子供の突発性難聴を扱った数少ない小説ですが、ストーリーがスムーズに展開する読みやすい短編小説です。あっという間に読み終えて、ある種爽やかな読後感が残る秀作だと思います。
「天国のベル」は短篇集「約束」内に収められています。

以下、本文の一部を抜粋してご紹介します。

診察室というよりもおしゃれなレストランの個室を思わせる部屋のなか、サマーウールのスーツを着こなした女性医師があっさりといった。
「そうですか。では雄太くんの耳がきこえなくなったのは、身体表現性障害かもしれませんね」
尚美には意味の分からない言葉だった。なぜ医者は漢字を七文字も続ける単語を平気で使うのだろうか。自分が翻訳するなら、必ず赤ペンを入れるところだ。パンツの足を組んで医師はいう。
「昔はヒステリーと呼ばれていました。急に目が見えなくなったり、手足の感覚がなくなったり、特定の部位が動かなくなったり、症状はさまざまです、なんらかの原因で強いストレスがかかって、心が悲鳴を上げる。それに身体が反応するんです。 雄太くんの場合は、心因性難聴でしょう。これは特別な病気ではありませんし、よくあることなんです。落ち着いてゆっくり治していきましょうね」


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