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 聴覚障害を扱った物語


鍵の画像

乃南アサ 作

女子高生の麻里子の通学カバンには本人が知らぬ間に入れられていた一本の鍵が・・・・
その鍵を廻って、思いもかけぬ凶悪事件が次々と引き起こされていきます。

麻里子は生まれつき聴覚に障害を持っており、永い間その障害を克服する支えであった母親を亡くし、その十ヶ月後には父親をも亡くしてしまいます。 残された姉と兄がこれからの頼りなのですが、その頼りにすべき兄が、母の死後はなぜが自分を避けるような気がして悩みは深まります。

鍵をめぐるサスペンスと、聴覚障害が有るがための兄妹の微妙な心理的行き違いがからみ合って、いつの間にか物語の中に引き込まれてしまう秀作です。

それでは、本文の中から印象的な部分を抜粋してご紹介します。

診察室というよりもおしゃれなレストランの個室を思わせる部屋のなか、サマーウールのスーツを着こなした女性医師があっさりといった。
「そうですか。では雄太くんの耳がきこえなくなったのは、身体表現性障害かもしれませんね」
尚美には意味の分からない言葉だった。なぜ医者は漢字を七文字も続ける単語を平気で使うのだろうか。自分が翻訳するなら、必ず赤ペンを入れるところだ。パンツの足を組んで医師はいう。
「昔はヒステリーと呼ばれていました。急に目が見えなくなったり、手足の感覚がなくなったり、特定の部位が動かなくなったり、症状はさまざまです、なんらかの原因で強いストレスがかかって、心が悲鳴を上げる。それに身体が反応するんです。 雄太くんの場合は、心因性難聴でしょう。これは特別な病気ではありませんし、よくあることなんです。落ち着いてゆっくり治していきましょうね」


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