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 聴覚障害を扱った物語


教えてもっと、美しい音を

オレンジデイズ

著 松本江理

この本は日本で初めての聴導犬ユーザーになった著者が、「手助けをしてくれる役立道具」としてではなく「夫や子供と同じような生活のパートナー」として愛してやまない聴導犬「美音」との悲喜こもごもな日常生活を描いたエッセイです。

中途失聴者の多くは、病気や事故が元である日急に聴覚を失うという経験をされていますが、著者の松本さんは10年前から「いずれ聴覚を失うことになる」との宣告を医者から告げられます。
急に失うよりも準備期間があるのですからまだましのように思われますが、そういう助走期間があったにも関わらす、本当に聞こえが無くなったときには激しい衝撃や深い悲しみに見舞われます。
そんなおり、初めて聴導犬というものがあることを知った著者は、それがその時の自分にとって必要不可欠なものであると感じて、すぐに行動に移します。そして、訓練された聴導犬をもらうよりも、子犬の段階から自分も一緒に訓練していく道を選びます。
その訓練の困難さや、やっと聴導犬として合格した時のうれしさ、実生活で味わうことになる挫折など、「美音」との生活が愛情たっぷりに軽妙な文章で描かれていて、あっという間に読み終えてしまいました。

当時はだれも聴導犬というものを知らなかった訳ですから、先駆者としての苦労もずいぶんされたようですが、今では聴導犬もある程度の認知度は得られているようです。聴導犬も含め、ますますこういう介助犬というシステムが普及し、あたりまえに社会に受け入れられるようになることを望みます。

では、本書の中で心に残った一節をご紹介しましょう。

お店で働く人たちには、数日のうちに周知徹底されたようで、呼び止められることもありませんでした。それでも、一歩店の中に歩き出すと、とにかく周りの注目を集めていることがわかりました。「どうして、犬がいるの?」と言う視線がズキズキと突き刺さってくるのです。美音が「ただの」犬でない目印はわかりづらく、その姿はやっぱり普通のペットのお散歩なのです。

「”ペットの入店はお断りします”って書いてあるのが見えないの?」

そんな無言の抗議を感じました。直接、話しかけてくる人もいましたが、そういう人にはきちんと認定札を見せたり、説明の紙を読んでもらうようにしたので、逆にきちんと理解してもらえたと思います。が、ほとんどの人は、見ているだけ・・・・。

「ペットを連れてくるマナー違反」と言う誤解。

誤解をされないためにも、やっぱりパッと見てわかるような目印が欲しいなぁ。そんな私の些細な願いが実現するのには、その先、ずいぶんと長い時間がかかったのです。


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