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 聴覚障害を扱った物語


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乃南アサ 作

前作「鍵」に続いて、聴覚障害を持つ女子高校生の麻里子を主人公とするサスペンスです。

耳の不自由な聾学校に通う男子生徒が、アルバイト先に届けられた不審なジュースを、相手の言葉をよく聞き取れないままに受け取ってしまった場面から事件は始まります。
  犯人に間違われながらも、なぜか捜査機関に協力しようとしない男子生徒と、同じ障害を持つものとして放っておけずに、その少年に関わりを持とうとする麻里子。
麻里子の視点で進行する物語と、犯人の視点で進行する物語を交互に混じえながら、事件は益々エスカレートしていきます。

聴覚障害と健聴者に間に横たわる溝の深さと、それを乗り越えようとする両者からの葛藤も主題の一つとなっていて、サスペンスながらも青春社会小説としても読み応えのある一冊となっています。

それでは、本文の中から印象的な部分を抜粋してご紹介します。

--- 麻里ちゃんが、あんなに真剣になる理由。サブ・キャップが、俺に桑田の取材を任せてくれる理由。 考えたくない気がする。障害などという言葉を、そうしょっちゅう意識していたくはないと思う。

だが、と、再びアパートの前まで戻り、いらいらと煙草を吸い続けながら有作は考えていた。

--- 俺は、考えまいと思えば考えずに済むんだよな。 なぜなら、有作は障害者ではないからだ。 だが、自らが望んだはずもないのに、背負ってしまった人はいるのだ。彼らにとっては、それは避けて通ることの出来ない問題、寝てもさめてもつきまとう問題に違いない。意識せずに、考えずに済む問題ではない。背負ったうえで、その人の人生を考えなければならないときに、ただ重い、暗い、深刻だなどと言っている場合ではない。

--- 所詮は俺も、無理解な一般人か。 足下に溜まっていく吸い殻を眺めながら、つい絶望的な気分になってくる。


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