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こんな大河ドラマを見たい! だから作って欲しい!

ここが変だよ大河ドラマ

エキストラが少なすぎる

日本の映画にしてもドラマにしても、海外作品(特にアメリカですが)に比べるとお金がかかっていないとよく言われます。

車はもちろんヘリコプターや飛行機にいたるまで平気で爆破させるアクションドラマや、「ラ・ラ・ランド」の渋滞ハイウエーでの集団ダンスシーンなどを観ると、一体どれだけ制作費をつぎ込んでいるのだろうと思わざるを得ません。

それと比較して大変申し訳無いのですが、最近の大河ドラマは制作費をケチり過ぎているような気がして仕方がありません。それなりにお金をかけたなと思えるシーンもあるにはあるのですが、特に気になるのがエキストラの人数が少なすぎるという点です。

例えば、戦国武将が出陣に際して家臣団を前に「皆のもの!・・・」と呼びかけるシーンが良くありますが、少なくとも何百人を相手にするような場面なのに肝心の家臣団が50人ぐらいしかいなかったりすることがあります。具体的には、桶狭間に出陣するときの信長や、老ノ坂峠で本能寺へ進撃を指図する明智光秀を想像して貰えばよいのですが、こういう場面ではエキストラが多ければ多いほど臨場感が湧くものですよね。それがたった50人を相手に「皆のもの!」では、「え! たったこれだけ?」と、盛り上がるはずの場面が盛り下がってしまいます。

もう一つ例を挙げれば、「おんな城主直虎」で井伊谷の百姓たちがしばしば登場しましたが、直虎に文句を言うために百姓たちが大挙して押しかけるような場面でも20~30人位しかいなかったような気がしますし、領主である直虎が大勢の百姓に混じって野良仕事をするようなときにもその程度の数だったと思います。
ロケ場所の関係でそうなったのかどうか良くはわかりませんが、余りにもリアリティーに欠けるので、ドラマを見ているというより舞台で芝居を見ているような気にさせられてしまいました。

ドラマはやはり映像の中に視聴者の感情を移入させて、いかにも自分がその情景中にいるがごとく思わせることが重要ですので、本来あるべき人数と比べてあまりにも少なすぎる人数では物足りなさを感じるのも仕方ありません。

海外ドラマはこういう点はきっちりしています。
例えば「ジャック・ライアン」で難民キャンプの場面や不法移民が船で脱出する場面などがありましたが、たった1話の撮影場面なのですから難民などの数は100人ぐらいで済ます事もできたはずなのに、その5倍以上のエキストラを平気で使ったりしていました。
同じくPRIME・ORIGINAL「高い城の男」でナチス本部大ホールの場面では何万人(もちろんCGも使われていたでしょうが)もの兵士を前にして演説する情景に(その臨場感に)思わず身震いさえ感じました。
このように臨場感を出すために敢えて実際の数以上の人数を動員する手法を用いているのでしょうが、実際にその効果は絶大です。
逆に言うと、あまりもエキストラが少なすぎるとその作品自体が陳腐に思えてしまいます。

良質なドラマを低コストで作る為に、不要な出費は抑えねばなりませんが、最近の大河ドラマを見ていて、この「エキストラの少なさ」には強く違和感をもちましたのであえて述べさせていただきました。



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