
Android搭載のスマートウォッチはAndroidスマホとほとんど同じように利用できますが、画面の大きさの違いは如何ともし難く、特にテキスト(文字)入力はとても困難な作業となります。ただ、困難ではありますが、できないことは有りません。
はじめは指先でタッチして5回に4回は誤入力となったとしても、だんだん慣れるに従ってその頻度は減り、5回に1回程度となればなんとか実用に耐えるようにはなるでしょう。
ただ、やはりテキスト入力にはブルートゥースでワイヤレスキーボードを利用するのが一番です。初めてスマートウォッチを使い始めるときにはアカウント設定やパスワード入力など、どうしてもテキスト入力しなければならない場面がありますが、そんなときは不慣れなウオッチのキーボードでイライラ入力するよりも最初からワイヤレスキーボードで入力したほうが遥かにストレスを感じることは少ないでしょう。
しかし、ワイヤレスキーボードを持っていないのであれば、わざわざ購入する必要はないでしょう。
また、スマートフォンさえ持たずに身軽に行動するためにこのスマートウォッチを購入したのに、いちいちワイヤレスキーボードを持って出かけるなどはナンセンスの極みですから、なんとか入力しやすい手段は無いかといろいろと試してみました。
テキストを入力する場合に無くてはならいないものがIME(Input Method Editor 文字入力編集ソフト)ですが、LEM12にはデフォルトでAndroidキーボード(英語)とWatch IMEが入っています。名前にWatchと入っているように、どちらかというとスマートウォッチにはWatch IMEの方が向いています。
LEM10にも同様にWatch IMEが入っていますので、2つの仮想キーボードを見比べると以下のようになります。
LEM10の方は四角の画面なのに下に行くに従って狭く表示されていることでわかるように、このIMEは円形ディスプレイの下半分がキーボードになるように設計されているわけです。ですからLEM12の方がピッタリと収まっていますね。
この画面は英字入力のものですが、下の方に入力切替ボタン「?123」がありますので、これで数字・記号入力画面に切り替えることができます。
ここで、そのとなりに「JP」ボタンが有って日本語入力画面に切り替われば一番良いのですが、残念ながらここには「CN」があるだけですので中国語入力画面に切り替わるだけです。「nihao」と入力すると「?好」などの変換候補が出てくることになります。
これは仕方がないですね。なんといっても中国製ですから。 悔しかったら日本人が作れば良いだけなのですが、残念ながら今のところ国産メーカーでこれと同種の商品は出ていません。需要がととのえば「Watch IME日本語版」が出くるかも知れませんから、それを期待するしかありません。
しかし、日本語入力以外ならこれが一番使いやすいので、最初のアカウント設定やパスワード入力などはこのIMEを使うのが一番です。
「設定」-「言語と入力」-「仮想キーボード」-「キーボードを管理」で「Watch IME」が有効にしてあればこのIMEが使えます。
英数字はWatch IMEを使えばよいのですが、テキストメッセージやラインメールなどちょっとした日本語入力をしたくなる場面は結構あります。
Androidスマホでの日本語入力には「Google日本語入力」が一番使われていると思いますし、私もLEM10ではそうしていました。
ところが、角形のLEM10ではGoogle日本語入力がなんとか使えたのですが、丸形ディスプレイのLEM12では使えないのです。
どうしてかというと、下の画像のように左右の下側がカットされてしまい、一番重要なENTERキーが押せないのです。
これはスクエアモードに変更しても同じことで、この画面に入ってしまうと抜け出すには一度設定メニューに戻って「キーボードを管理」で他のIMEを選び直すしか方法が有りません。 これは「Simeji」や「Gboard」でも同じことで、丸形時計に合わせた日本語変換レイアウトを持つIMEには巡り合っていません。
「Gboard」にはフローティング機能というものがあり、キーボードのサイズや位置を自由に設定できるとのことだったので、これならばと思って使っては見たのですが、なにせ元々狭い画面の中ですので、とても使えるような代物では有りませんでした。やはりスマホ用のものです。
「ATOK」は同様にフローティング機能を持つ上に「Gboard」よりも自由度が大きいとのことでしたが、このためだけに高価なアプリを購入する気にならなかったことと、どうせ丸形ディスプレイ対応にはならないので画面が小さくなって却って押しづらいだろうと思い、試して見ることもやめました。
色々試行錯誤した挙げ句、現在は「Androidキーボード(英語)」と「 Google音声入力」を組み合わせて使っています。
つまり、日本語は音声入力だけで対応することにしたのです。
最近の音声入力は素晴らしい精度がありますし、やはりこの小さなディスプレイでキーボードからテキスト入力すること自体が間違いだろうと感じたからでもあります。
そこで、「設定」-「言語と入力」-「仮想キーボード」-「キーボードを管理」でこの2つのIMEだけを有効にしています。
「Google日本語入力」や「Gboard」もインストールしてはいますが、「Watch IME」と同様に無効にしています。
これらを有効にしておくと、テキスト入力操作でそちらが起動してしまうと戻すのに一苦労するからです。
ブルートゥースのワイヤレスキーボードを使う場合はGoogle日本語入力を有効にします。
英数字なら「Watch IME」よりも操作性が劣るにしても「Androidキーボード(英語)」でなんとかなりますし、右上のマイクボタンをタッチすれば「Google音声入力」がすぐに起動して日本語入力もできます。
ただ、残念なのはGoogle音声入力では句読点が打てないことと、改行ができないことです。
改行の方は、「Androidキーボード(英語)」でRETURNキーを押せばなんとかなりますが、句読点は諦めました。
まあ、どうせメール文の入力程度にしか利用しませんので、それでも十分だろうと判断しました。