あまり気にかけたことは無くても、一度使い方を知るととても役に立つ小物があります。
それが皿穴付きのネオジウム磁石。
磁石というと方角を知るための方位磁石や理科の実験で鉄粉を吸い寄せたりしたあのU字型のフェライト磁石を思い浮かべる方も多いと思いますが、ここで紹介するのは磁力が大変強力なネオジウム磁石です。最近は「超強力磁石」などという名前で百均などでも売っていますが、フェライト磁石が黒っぽい色をしているのに対して、ネオジウムは錆びやすいためにクロムメッキを施しているのですぐに見分けが付きます。
このネオジウム磁石、本当に強力なので、冷蔵庫の扉やスチール製のホワイトボードなどに小物を貼り付けるときに大変重宝することもあるのですが、実は磁力が強すぎるために却って扱いにくい面もあります。
サイズの大きいものは(その分磁力も強いので)取り外しが容易でなかったり、そうかと言ってあまり小さなサイズにするとつまみ難かったり、却って、メモを貼り付けて置くぐらいなら磁力の弱いフェライト磁石の方が使いやすいかもしれません。
しかし、このネオジウム磁石に皿穴がつくと大変応用範囲が広いすぐれものに変身します。
強力な磁石をあるものに固定する場合には、接着剤や両面テープ、マジックテープなどよりもビス止めするのが一番確実です。ビス止めする場合でも単なる丸穴ではビス頭が邪魔になってピッタリと対象物に密着させることができませんから、当然磁力も弱くなります。その点、皿穴で止めれば磁石と対象物がピタリとくっつきます。
では、この皿穴付きネオジウム磁石、どんな使い方があるのか、実例を挙げて紹介してまいりましょう。
これが一番よく使う方法だとおもいますが、磁石を壁などに固定して工具など頻繁に取り外しをする物を貼り付けておくのに使います。
工作室の壁面にいろんな工具をこの方法で貼り付けている方も多いようですが、一般家庭でもドライバーやペンチなどを目に付きやすい場所に貼り付けて置くと大変便利です。
スチール製のものなら何でも張り付きますから、文房具のハサミやホチキスやカッターナイフ、衛生用品のピンセットや爪切りなどもこの方法で管理できます。
玄関キーや車のキー置きにするのもいいですね。
外部に設置しておいてソーラー充電しておき夜間になると人感センサーで検知してライトを点灯させる器具がよく売れていますが、あれが簡単に取り外しできると懐中電灯のようにも使えるので大変便利です。また玄関先などで、照らしたい部分が日中は日陰になるような場合は、昼と夜で設置場所を簡単に変える事もできます。
ソーラーライト側に磁石をつけておけば、対象場所がスチール製か小さな金具を取り付けることさえできれば、実に簡単に取り外しできます。
屋根や外壁に何かを取り付ける場合にはビス止めするのが一般的ですが、ビス止めというのは穴を開けるわけですからコーキングなどをしっかりしておかないと後で雨漏りが発生する心配もあります。例えば屋根の板金面への取り付けなどではビス止めよりも磁石で固定することで穴を開けることなしに強固に取り付けることもできます。
最近は前方だけでなく後方にもドライブレコーダーを取り付けるケースが増えてきたようですが、その取り付け方法の一例としてネオジウム磁石が使われていましたのでご紹介します。荷物の出し入れで邪魔になったら簡単に取り外しできるしドラレコ本体の取替も簡単そうなのでおすすめしたい使い方ですね。詳しくはこちらをご参照ください。
よく使われている丸形ばかりでなく角形やサイズ違いなど最近はバリエーションも豊富になってきました。
しかし、サイズが大きくなると本当に強力なので、取り扱いの際にはかなり注意が必要になります。
離れていれば全く問題は無いのですが、近づいた途端にバチンと引き寄せられますから、下手すると指を挟んで怪我をするか、そこまでいかなくても痛い目を見ることがあります。
ついでに、もう二つ注意点を。 一つは磁力が強力なだけに電子機器やカード類に近づけると影響を受ける物が有ることです。もう一つは割合にもろい点もあるので、固いところに落としたりビスを締め付け過ぎたりすると割れてしまうことがあることです。
このあたりを注意していろいろな使い方を考えていただければさいわいです。