火災は地震などの自然災害に起因する物を除けば人災と言えるものですので、防ごうとすれば防ぐことができるものです。
いかに自家から出火しないようにするか、万一の際にはいかに早く消火するか、そして外部からの延焼をいかに食い止めるかが3大ポイントです。
現在は建築基準法や消防法なども整備され、消防体制や消化設備の充実により、昔のような大火によって街中が焼け出されるという事はほとんど無くなりました。単独火災なら被害の範囲や期間は限定されるので、被災後用の備蓄などはあまり考えなくても良いでしょう。
出火を防ぐ
出火を防ぐ一番の方法は言うまでもなく、家庭内で火を使わないことです。もちろん漏電等による電気火災もありえますが、やはりキッチンでの天ぷら火災やタバコの火の不始末といったところが火災原因の大部分ですので、火そのものを使わないで済むならそれに越したことはありません。
しかし、そうかといって燃料費や好みなどによってコンロやストープを全て電気製品にというわけにもいかないでしょう。
建築的にはできるだけ火気周辺を広く取る、難燃材、防火材を多用するなどの対策を取ることが重点になります。
初期消火
火災は時間が経てば建つほど激しく大きくなります。小さなロウソク一本の炎が大火災に発展することになりますので、いかに早く火災を検知していかに早く消火するかがとても重要になります。
ということで早く知るための火災警報器と早く消すための消火器の組み合わせがもっともポピュラーな対策になります。
現在では住宅に火災警報器をつけることは法律で義務化されましたので、新築物件はほとんどついていると思いますが、義務化以前の既設建物にはまだ十分に普及していないようです。また使用期限10年を過ぎた製品の交換メインテナンスも今後の課題でしょう。
警報機も消火器も自分や自分の家族を守るためにも法律で決められた範囲にとどまらず、入念な準備をしたいものです。
延焼を防ぐ
いくら自分の家からの出火を防ぐ対策をしていても、隣近所からの類焼の危険は残ります。
これだけは仕方がないと諦めることなく、建築当初からある程度の対策をとることが大事です。
例えば、隣地からの距離をある程度取った配置にする、外壁や軒裏材を防火性の高い材料にする。換気口を防火ダンバー付きのものにするなど、いろいろな対策が考えられます。