自動消火について
自宅からの出火に対しての消火設備として誰もが知っているのは火災警報器と消火器の二つでしょう。
特に火災警報器は消防法により全ての住宅に設置が義務付けられていますので(義務化される以前のお住いで対策を取られていない場合を除いては)、ほとんどの住宅についているものと思います。
そして消火器も一家に一台ぐらいは備え付けられているのではないでしょうか。
火災警報器も消火器も実はいろいろな種類があってそれぞれ一長一短があるのですが、それについては別項で述べるとして、この二つは火災を感知して発せられた警報を人間が聞いて、そして人間が消火器を操作して消し止めるという、消火作業ができる人間がいることを前提として成り立っています。つまり、消火作業ができない子供や老人或いは聴覚障害者しか在宅していない場合、そして外出していて誰もいない場合に自然出火があるような場合は想定されていません。
さて、そんな場合でも消火が可能になるものはないかと言うと、ご存知のごとく店舗やビルなどでは自動消火可能なスプリンクラーという設備があります。スプリンクラー設備は火災を検知すると天井部に設置されたスプリンクラーヘッドから自動的に散水して火災を消し止めるものです。
このスプリンクラー設備は火災には大変有効なので建築物の種類や大きさにより法令で設置が義務付けられていますから、設備そのものは高額になるのですが広く普及しています。
では住宅ではどうかというと、高層共同住宅などの大規模なもの以外は法令で義務付けられているわけではないし定期的な点検も必要になるので、そこまで高額なものをあえてつける必要性は少なくほとんど普及していません。
しかし全く住宅にスプリンクラーは付けられていないかというとそうでもありません。住宅用スプリンクラーを商品化している設備会社もありますので、災害弱者のいるご家庭では十分検討するに値するものだと思います。
それ以外に、散水するスプリンクラーとは違いますが、火災検知器と連動して消火剤を放出して消火する自動消火設備を販売している消火器メーカーもあります。
どちらもこれからの高齢会社会、福祉社会が進むにつれ今後普及していく設備だと思います。
消火剤放出タイプの住宅用自動消火設備
住宅の場合は火気を使用する部屋は限定されます。キッチンと石油ストープなどの火を使う機器がある場所、そして喫煙者が使用する部屋、灯明をつかう仏間ぐらいでしょうか。ですから自動消火システムが必要な個所も一軒について1,2個所程度だとおもいますのでここに紹介するような5万円以下で備えることができる簡易型でも十分かもしれません。
モリタ宮田工業 ホームレオ
消火剤入りの本体を壁などに設置し、そこから銅パイプで接続した熱感知ノズルを天井等に設置してなる自動消火システムです。銅パイプは3mの長さがあり螺旋状のものを必要なだけ伸ばして使います。
トマホークジェットアルファ
セコムが販売しているキッチンコンロ用の自動消火システムです。
レンジフード部分に取り付けるだけの簡単施工でコンロ火災、特に発生頻度が多いといわれる天ぷら火災に非常に効果的です。