侵入盗から逃げ込むシェルター
防犯性の高い家づくリでは、「侵入リスクの高い家」だと思わせて自宅に侵入させないことが一番ですが、万一侵入された場合のことも考えておかねばなりません。
万一侵入された場合、警報などで追い払うとか腕力で撃退するとかいろいろな対処がありますが、「三十六計逃げるにしかず」という言葉もあるくらいですから、まずは我が身を守るために逃げることも大事な選択肢ですね。
ただ、実際に侵入盗と鉢合わせせずに逃げるとなるとなかなか難しいかもしれません。玄関から入ってこられたら玄関から逃げるわけにも行きませんし、2階に寝ていて1階の物音で侵入者を知った場合などは階段を下りる気にはなりませんね。
そういう場合のために、侵入盗から逃げ込むためのシェルターを予め用意しておくというのはなかなか良いアイデアです。
では、具体的にはどんな方法があるでしょうか。
まずは、商品化された避難シェルターがあります。金属フレームとポリカーボネート樹脂などで作られたもので、侵入盗などが暴漢に早変わりして攻撃してきても暫くは堅くガードしてくれますからその間に110番通報などで助けを求める事ができます。
そんなに大げさでなくても、ベッド下に潜り込めて中から鍵をかけられる「シェルターベッド」というものもあります。
建築的には、普段利用されていないけれども逃げ込むだけのスペースはある「床下」や「屋根裏」などをとっさの場合の避難スペースにする考え方もあります。そういう場所にはメインテナンスのための「点検口」というものがついているはずですので、避難した場合には内側からその点検口に鍵をかけられるようにして置くだけで機能します。
ただ通常は、床下点検口は押し入れ内の布団の下に隠れていたり、屋根裏点検口はクローゼットの天井などにあって脚立でもないと登れないなど、とっさの避難に向かないように作られていることが多いのでシェルターとして利用する場合はそのあたりは考えておかねばなりません。
新築時に間取り上の融通がきくようなら、二重壁などで秘密の空間を作っておくことも面白いのではないでしょうか。石膏ボードの下地に15ミリのコンパネなどを貼っておけば破るのにもかなり苦労するでしょうから普通の侵入盗ならそこまではしないでしょう。もちろん入り口は判りにくいように作り内側から施錠できるようにしておくことも重要です。
またこういう空間であれば、地震時に逃げ込むシェルターとしても利用できるので一石二鳥ですね。