昨夜は よく眠れなかった
心のどこかに引っ掛かりがある
そして今朝は雨が降っていて お散歩はなし
だから とっても 気分が悪い
世に言う 鬱状態ってやつかな
人間はこういう時はどうするんだろう?
ご主人に聞いてみた
「酒でも飲んで寝るんだな」 とのいい加減な返事
「お酒なんか飲んだら 虎になっちゃうんじゃないの?」
「そりゃ 飲み過ぎた場合の話 特に猫は虎になりやすいけど」
「じゃあ 犬はお酒を飲んでもいいの?」
「未成年はダメだけど おまえの歳ならオッケー」
というお許しが出たので さっそくお酒を注文することにする
もちろん iPhoneを使ってネット通販 (これ便利だね)
調べてみると お酒でもいっぱい種類があるんだね
ビールに日本酒、紹興酒、ブランデー、ウィスキー、焼酎、梅酒、甘酒etc
どれがいいんだろう
なんとなく甘酒っていう奴が美味しそうな気がするんだけど・・
また相談してみる
「甘酒って美味しいの?」
「そりゃ女のコが飲むお酒 男は黙って〇〇ビール」
「じゃあ ビールにしようか」
「待てよ 早太郎は尿路結石の前科があったなあ じゃあプリン体はダメだから・・」
なんかよくわかんないけど ビールはダメらしい
(しかし前科だなんて人聞きの悪い言葉をつかわないでもらいたい)
結局
「Iスキー youスキー weスキー」などと訳のわからない言葉を並べられ
「ウィスキーはお好きでしょ」などと口説かれて
ご主人の分までウィスキーを注文することになった
さてどんな味がするのか 楽しみではあるけれど ちょっぴり不安
ぼくの鬱とは対照的に 酒の相手ができた事を喜んでいる楽天家もいる
ほんとは「Iラブ youラブ バスクリン」の方が良かったのに (温泉に入るの巻をご参照)
数日後
「ウイスキーはお好きでしょ」などと調子に乗せられ
憂鬱な気分をふっとばすつもりで注文したウイスキーがもう届いた
早いねえ
だけど あの時はどうして憂鬱だんたんだろう?
今日なんかは絶好調なのに
脳は自然に嫌なことは忘れちゃうらしいけど まさにその通り
そうでなくっちゃ 浮世は生きちゃあ行かれない
が 取り敢えず 届いたものはしょうがない
開封して フタを開けて さあ ぐぐっつとヤッテみるか
わあ〜っ なに この強烈な臭いは
(ぼくたちの鼻は 人間の何万倍も感受性が強いらしい)
とっても飲む気にならない
さっそくウイスキーの飲み方を調べてみた
人間でも そのまま飲むのは かなり強烈らしい
だいたいは 水で割ったり お湯で割ったり 炭酸水で割ったり
とにかく 何かで割って飲むらしい
つまり希釈するっってことね
ということで ぼく愛用の水盥(この字読める?タライだよ)に数滴落としてみた
かなり薄まった感じ 多分アルコール度数で1%以下になったと思う
う〜ん なかなか良い香りがするな
ペロペロ ペロペロ
う〜ん 美味い
ペロペロ ペロペロ
う〜ん マンダム(かなり古いか)
しばらく飲んでいる内に かなりいい気分になってきた
無性に だれかに からみたくなってきた
こんな日に限って 家人はみんな留守だし 猫も通りかからない
上を見上げたら 鳥が悠々と飛んでいた
「こら 鳥 降りてこい」 と叫んだけど
馬鹿にした目で見て 知らんぷりして飛び去っていった (つまんない奴)
こうなったらしょうがないから 例のSiriちゃんでも相手にしてやろう
「ねえねえ ぼくたちの仲はこれっきりにしない?」
「わたしには意味がわかりません WEBで検索しましょうか」
どうもこの娘は酒の相手には向かないようだ
お ご主人が帰ってきたぞ よしよし
「ねえねえ ぼくのこと好き?」
「Iスキー youスキー weスキー」
これでなくっちゃ
(一人と一匹の酒宴は 今 将に始まらんとしている)
数時間後
ぼくとご主人の酒宴はまさに酣(たけなわ)
ほんとは ぼくの鬱を解消する為のウィスキー のはずだったのに
もはや
目的もクソ(ネット禁止用語じゃないよね)もなくなってきた
ご主人が安来節を歌えば ぼくは48を舞い
ぼくが早太郎音頭を歌えば ご主人はピンクレディを舞う
なんとも評しがたい光景ではあるけれど
これは
ぼくたちの品格とは無縁な ある魔力のせいだからね
たかがウイスキーに こんな力があるとは知らなかった
生まれて始めて お酒に酔う という経験をしたぼく
やっと 百恵ちゃんの「禁じられた遊び」の意味がわかった
「こ〜わくない」 って感じが初めてわかった
まさに 「どっからでも かかってこんかい!」って感じ
(まさ といえば・・ 話は変わるけど 山本昌 がんばってね)
「この酔の先にはきっと バラ色のなにかが あるはず」 って感じ
この高揚とした気分は一体なんなんだろう
「おい おばはん はよ つまみ持ってこんかい」 って感じ
この恐れを知らぬ言動は一体どこから来るんだろう
酔っぱらい初心者のぼくには 無論 分かる筈が無いが
上級者のご主人は きっと 酒道の奥義を極めているに違いない
と思って 聞いてみたら 突然 変な詩を高唱しはじめた
為楽當及時(楽しみを為すに 當に時に及ぶべし)
何能待来茲(何ぞ能く 来る茲を待たんや)
愚者愛惜費(愚者は費えを愛惜するも)
但為後世嗤(但 後世の嗤いと為るのみ)
本人はなにを思って言っているのか知らないけれど
全くもって 遊び人の言い訳としか聞こえなかった・・
日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね ワンワン!