ワンス・アポン・ア・タイム
あるところに翁丸という犬がおったげな
大きなお屋敷で可愛がられて暮らしていたが
同時にもっと可愛がられている猫も一緒にすんでいた
ある日のこと 猫の飼育係が縁側で日向ぼっこを決め込んでいる猫に
「そろそろお家に入りなさい」と声をかけたところ
猫は飼育係なんかとバカにして知らんぷりをしてる
ちょっと腹をたてた飼育係は 近くにいた翁丸に向かって
「ちょっと猫にかみついてやりなさい」と声をかけた
翁丸は言われたとおりに猫に飛びかかっていったから
猫は怖がって主人のところに逃げ込んでしまった
可愛がっていた猫がこんな目にあったので 主人はたいそう怒り
飼育係をくびにすると共に
「翁丸を打ち懲らしめて 捨ててしまいなさい」と命令した
言われたとおりに家来は懲らしめた後に家から追い出した
3日ほど経ってから
キャンキャンとけたたましい犬の鳴き声が聞こえるので家人が見に行くと
翁丸が家来二人に打ち据えられている
どうしたのかと聞くと
「許されもしないのにまた戻ってきたので 打ち懲らしめている」とのこと
しばらくすると
「死んだので捨ててきた」との報告
家人はみな可哀想なことをするとは思ったが 主人のいいつけなら仕方がないとあきらめた
その夕方 目をはらして息も絶え絶えな犬がよろよろとうろついていた
家人が
「翁丸なの」 と声をかけたが知らんふりをしている
みんなで 翁丸かどうかの品定めをしても
「翁丸なら 声をかけたら喜んで尻尾をふるはずだし
見た目もこんなにひどいし 二人がかりで打ち殺したといっていたから」
ということで 翁丸ではないのではという話になり
食べ物を与えても食べないし やはり違う犬だという結論づけた
しかし 翌朝になってもその犬がうずくまっているのを見て 家人の一人が
「翁丸は死んでしまったようだか ほんとに可哀想なことをした どんなにつらかったことだろう」
と つぶやいたのを聴き その犬が身を震わせて涙をぽろぽろこぼしはじめる
それを見て これは翁丸ではないかと思い
「やっぱりお前は翁丸なの」 と問えば ひれ伏してキュンキュンと泣く
ではやっぱり翁丸だったんだということで 家中その話で持ちきりになり
そのこころねを不憫と思ったのか 主人の勘気もようやく溶け
許されて また以前のように飼われることになった とさ
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と まあ こんな話が清少納言の枕草子に載っているので
知っている人は知っている 知らない犬は全く知らない とは思うけど
ぼくはこの話を読んだ時 あのミリオン君を思い出して 可哀想で涙がでた
翁丸はなんも悪いことをしてないのに
ただ命令されたことをしただけなのにね
しかも清少納言も この話を面白おかしく書いている
違うだろ〜違うだろ〜
才女ってやっぱり冷たいのかな
日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね ワンワン!