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紀州犬の早太郎が徒然なるままに書き綴る独り言

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チョキの巻

猫のタタリじゃ〜

先日 愛知県瀬戸市にある「招き猫ミュージアム」に行ってきた

ま なまえはそうだけど 犬もいるかと思いきや
やっぱり招き猫ばっかり それも半端な数じゃなかった

ところで 右手を上げてるやつと 左手を上げてるやつがいるって事 知ってた?

右手を上げてるのは 「金招き」
左手を上げてるのは 「人招き」

cats.jpg

じゃあ両手を上げてるのは 「すっからかんでお手上げ」
(これは ウソ)

それで 上げてる手の長さが長いほど ご利益があるらしい
普通は顔の横だけど 頭の上まで伸びてるやつがいるでしょ あれがそう

ところで 猫の置物は 招き猫程度のもんだけど
犬はスゴイ置物があるんだよ
そう ご存知 「狛犬」 別名「狛ちゃん」

どうも犬族というよりも ライオン系のような顔立ちだけど
名前に犬の文字がついてるから 仲間にしてあげてるわけ
時々 犬族の狛ちゃんもいるけどね
maedainu.jpg

「日本一の狛犬」 と自称してるのは
結城神社の狛ちゃん
komatynan.jpg
すごい ドヤ顔

ぼくの好きなのは 太郎坊宮の狛ちゃん
えらそうにしてる割には 可愛い顔がいい
tarobou.jpg
ラーメン好きな鬼の子みたいでしょ(桃太郎の話 参照)

ぼくの夢は
ご主人が死んで お祀りする神社ができたら
ぼくが 狛犬になって 神殿をガードする事

お供えはねえ 油揚げじゃだめだよ 
イノシシの肉 あるいは 豚足
(ちなみに お賽銭は不要です)


さて、招き猫ミュージアムに行って暫く後、ぼくは大変な目に遭ったのである

ある朝目が覚めたら なんとなく世界が大きく見える
いつもよりスースーする

あれ 手が小さいぞ おかしいなあ

あっ 鳩が僕のエサを盗みに来た!
こら〜 「ニャー」 あれっ 何この声

こわごわと窓ガラスを見て そこに映る姿
ド ド ドユコト?
ぼくが猫になってる!

ちっちゃな三毛猫 カッコ悪い〜っ
どうして? なんで? why?

先日 招き猫を見て 馬鹿にしたからかなあ
招き猫のタタリ?
tatarijya.jpg

あっ ご主人が来た 
カッコ悪いから隠れちゃお

「タマ〜 タマ! ご飯だよ」
「なんだタマ なに隠れてるんだ ご飯だよ」

「え! タマってぼく?」
ご飯をみたら ドッグフードじゃない 
残飯に味噌汁のあまりをかけたやつ(通称:猫マンマ)

「フンニャムンニャミャアーミャアー」
(こんなもんが食えるか〜 と鳴いたつもり)

「どうしたんだタマ 早く食べなさい」

ぼくはタマじゃないもん
ぼくは早太郎だもん 
犬だもん
紀州犬だもん
グスン



ぼくはタマという猫になっちゃった
どうして?
やっぱり猫のタタリかもしんない

というのは 
あの招き猫をたくさん見てきた後
「猫のほうが犬よりも人気があるのかなあ〜
あんなの 座って片手上げてるだけで
女のコが わあ可愛い!なんて言ってたんだよ
ほんと ずる賢いやつ ぼくも猫になろかな」
なんて独り言いってたんだ

そしたら ご主人曰く
「じゃあお前も猫になったらどうだ
でも猫はチビで弱いし 鳴き声もミャーだぞ
それでもいいなら いつでもどうぞ」

それが昨日の夜の話
まさか この程度でタタリを受けるなんてこと無いよね


とにかく 猫マンマなんて食べないことにした
ハンガーストライキってやつ
誰に対して って?
勿論 誰かわかんないけど
とにかく 抗議しなくっちゃ

だけどおかしいなあ
ぼくが突然 猫に変身した訳じゃなさそうだ
だって ご主人は当然のような顔をして「タマ」って呼んでたから
タマという猫は存在したんだ

と言うことは タマという猫と犬の僕の魂がスワップしたということ?
じゃあ紀州犬になったタマは何処に行っちゃったわけ?

いやいや やっぱりおかしい
あのご主人は確かに紀州犬早太郎(つまりぼく)のご主人で
猫なんか飼ってなかったんだよ
う〜ん これは難題だなあ
かなりCPUに負担がかかりそう

ご主人が出てきた!
「こらタマ 散歩に行くぞ」

散歩! うれしい 尻尾フリフリ
のはずなんだけど尻尾がうごかない 

これじゃあ 僕のうれしい気持ちが伝わんないじゃない
次から誘ってくれなくなっちゃうんじゃないかなあ
うれしい時はうれしいという表現をしくちゃね・・例え猫でも
ま 喉でもゴロゴロ鳴らしとくか

あれ リードはいいの?
そういえば首輪もついてない
引っ張れないよ〜 これじゃあ
運動不足になっちゃう

不安だなあ このフリースタイル
いいの? ホントに どこにいっても

あ! 豆柴くんが歩いてきた
いつもみたいに端っこに寄れよオチビさん
わかってるだろうなあ ぼくが早太郎だってことを

ワワワ ワン!
mamesiba.jpg
ひゃ〜っ

危ない危ない あいつ なに考えてんだか
そうかあ ぼくを猫だと見くびって強気に出たな
元に戻ったら思い知らせてやるんだけど
いつになったら戻れるんだろう
(なんか 会社で威張っていたのに定年になって退職し 途端に
元の部下に冷たくあしらわれるおじさんの気持ち 分かるなあ)

結局いつもはご主人を引っ張って散歩していたのに
この日はコソコソと後ろから隠れるようにして帰って来た
電柱にもオシッコをかける事ができなかった
これでぼくの縄張りもおしまいだろう・・
長い間かけて守ってきたシマ(これ刑事ドラマで覚えた)だったのに

あ〜あ ぼくはもうダメ
一生 電柱や豆柴に馬鹿にされて 猫マンマを食べさせられて
タマなんて安っぽい名前で呼ばれて生きていくなんて

しょぼ〜ん
わかる? 
自分のアイデンティティを突然奪われた者の悲しみが・・・

「ぼく 不良になっちゃう!」じゃ済まないんだよ
「ぼく 猫になっちゃう!」 笑えもしない(;>_<;)

と ご主人がぼくの目をのぞいてニヤッ
「どうだ 早太郎」
えっ!

ぼくは猫のタマになったとばかり思ってた

なのに 今 確かに「早太郎」って呼んだよね

と言うことは やっぱりぼくは早太郎でいいの?
(涙がチョロリン)

「あれ 早太郎 お前は猫になりたかったんじゃないのか?
  なにべそかいてんの?
    昨日 お前が猫のほうがいいや なんていうから ちょっとからかっただけだよ」

えっ どういうこと

なにか得意そうなご主人の話を聞いてみると 実はこういう事らしい

寝ているぼくに暗示をかけたんだって
しかも暗示ののかかりやすいレム睡眠の時に

『明日の朝 早太郎は猫になる〜 小さな三毛猫になる〜』とかなんとか
そのあとでよりによって ぼくの体に絵の具でブチをかいた

こんな風に
mikeinu2.jpg

たったそれだけでぼくは催眠術にかかったように猫になった
そんな馬鹿な!

でも確かに 朝 目が覚めた時には 暗示が効いて「猫かな?」程度だったけど
窓ガラスに写っている三毛猫(のように見えたぼく)をみて かなり思い込んだ
そして それからのご主人の態度で完全にやられたみたい

マインドコントロールってこんなふうに始まるのかな?

あのままじゃ きっとぼく永遠にタマ公になってたかも知れない

豆柴くんも なにかオドオドしてるぼくを見て
「日頃の鬱憤をはらすのはこの時ぞ!」
って感じで吠えかかってきたんだろうなあ
(ククッ 明日もオドオドしたふりをして・・・)

とにかくえらい目にあった
一時は 此の世の終わりか くらいに思ったんだから

ご主人には さっき強く言っておいた

「こんどは人間にしてね」

いちごぶらんとさがった

   

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随筆のイメージ

日本4大随筆のひとつ

日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・ 
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね  ワンワン!