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紀州犬の早太郎が徒然なるままに書き綴る独り言

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パーの巻

秘密保護のおはなし


ぼくが散歩していて 偶然いい場所をみつけた とする
犬も歩けば棒に当たる ってやつかな

えへへ 
その場所とは  焼肉屋さんのゴミ捨て場
ゴミ箱のフタを開ければ 客の食べ残し焼き肉がいっぱい
こんなもったいないことを・・・

犬の世界では こういう勿体無いことを「罰当りめ!」という

ゴミの収集場所を荒らすカラス君たちも そう思ってるんだろうな きっと
「人間って どうして食べ物をすてちゃうんだろう 罰当たり奴」って

ま カラス君のことはどうでもいいんだけど

ぼくは秘密の焼き肉入手場所に関する情報を入手したんで
他の犬にも教えてあげることにする

だって ぼくだけでは 到底食べきれないんだもん

ま あの量からすれば 5匹分は大丈夫かな

で さっそく声をかける
「ねえ 君 君  君ってさあ 秘密を守れる?」

こういう質問から入るのも 当然といえばあまりにも当然

だってこの情報があちこちに漏れてしまっては 大勢の犬が押しかけてきて
ぼくの取り分もなくなっちゃうでしょ

だから 秘密を守ってくれそうな犬にだけ こっそり教える

「いい! 絶対に秘密にしておいてね 実は・・・・」というふうに

ところが 数ある犬の中には 秘密にすると答えておきながら
別の犬に 「これは秘密なんだけどね 実は・・・」ってばらしちゃう奴もいる
こういう犬は 犬の風上にも置けない犬 というんだけど 実は結構たくさんいる

こういう事態を防ぐ為に
「大事な秘密は守りましょうね 守らない犬はゴツンしちゃうよ」
というルールを作ろうとした

これが 犬の秘密保護法案
ま ちょっとネーミングがイカ飯(変換ミス)すぎるから
秘密警察とか秘密結社とかを連想しちゃうかもしれないけど
もっと優しく言えば セキュリティ強化法案

ネーミングはどうあれ そんなルール作りに反対する犬もいる

「秘密なんてものが存在することがそもそもおかしい」
とか
「わたしの知る権利はどうなるの」
とか
「ぼくの情報収集活動が阻害される恐れがある」
なんてね

誰にだって秘密は有る
どこの家にだって秘密は有る
どこの会社にだって秘密は有る
どこの国にだって秘密は有る
当然 犬にだって秘密は有る

秘密がないなんて状態がまさに異常のような気がするけど・・
もし秘密をもってはいけないんだったら
ぼくが骨を隠しておくことなんて出来やしない

知る権利 といったって 
そもそも 他人の秘密を知る権利なんて 誰にだって無い
当然 他の会社の秘密も 他の国の秘密も 知る権利はない
だから ぼくの骨の隠し場所を知る権利は ご主人にもない

その社会の秘密を他の社会に知られないようにするには
その社会の構成員にだって内緒にしておかなければならない場合が多い
だって 秘密だということを知りながら 平気でバラシちゃう者もいるからね

当然 ぼくの骨の在処を探そうなんて
秘密を嗅ぎ回ろうとする情報収集活動は阻害される
こういう活動は 断固として阻害しなくてはならない
大事にとってあるんだからね

ま いろんな反対意見や賛成意見があるけど

結局は 秘密を持つ必要が有るのか無いのか だけのこと

「この社会に秘密なんて必要ないんだ 
だから自分も秘密は一切持たないし
何を聞かれても 全てをさらけだすよ」 
という人は反対すればいいし

「この社会には やっぱり秘密は必要なんだ
 秘密が必要なら それが漏洩しないようにするルールも必要だ」
という人は賛成すればいい

前者には ぼくは絶対に焼き肉屋情報は流さないけど
そういう犬に限って
「ぼくにだって知る権利はある」なんていうんだろうね

でも 秘密を持たない犬に 秘密を知る権利なんてあるわけはない

こんな話をしてたら だんだん 骨の隠し場所が心配になってきた
やっぱり 焼肉屋情報も 誰にも知らせないほうがいいかもしれない
秘密漏洩をおそれるあまり だんだん秘密主義になっていく

みんなが自分の知り得た情報を こっそり自分だけで貯めこんでおいたら
どんどん閉鎖的な社会になっていくような気がする
セキュリティを高めるということは 秘密主義で閉鎖的社会ではなくて
却って開放的な社会になることなのに・・・


いちごぶらんとさがった

   

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随筆のイメージ

日本4大随筆のひとつ

日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・ 
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね  ワンワン!