ほら 前回 柴犬くんが脱走したでしょ
あの犬 5泊6日の放浪の旅を終えて 深夜に帰宅したんだって
まあ夏だから ほとんど食べなくても6日くらいはなんとか大丈夫だとは思うけど
それにしても ちょっと帰りが遅かったんじゃない
それに いったいどこでどんな生活をしていたのか
飼い主がぼくに質問するんだけど ぼくだってわかんないよ
とうわけで
あの脱走犬に ぼくが単独インタビューを試みることになった
お白州に連れてこられた柴ちゃん
ちょっと神妙な顔になってる
「ねえ 君が例の脱走犬?」
「まあ そういわれれば仕方ないけど・・」
「まずは どうして脱走なんかしたの?」
「そりゃあ 広い世界に興味があったから」
「でも 逃げるのに苦労したんじゃないの?」
「ううん フェンスの上に隙間があいていたんで 簡単だったよ」
「じゃあ フェンスを飛び越えたわけ?」
「ちがうよ フェンスをガリガリとよじ登ったんだよ」
「それからどうしたの?」
「ま ウロウロしながら クンクンしながら あっちへフラフラこっちへフラフラ」
「怖い目に遭わなかった?」
「車がブーツと近づいてくるのが怖かったけど だんだん慣れてきたね それも」
「車に轢かれそうになったことは?」
「ほら ドップラー効果っていうのかな
車が近づいてくるときは だんだん高い音になるんで危険だなって感じるんだよ
だからそんな時は 道の端によってじっとしていればいいんだよ
下手に逃げ出すと却って危ないから
だって あいつらは一台だけじゃないからね
最初のやつから逃げおおせたと思っても次のやつにやられちゃうかもしれないから
とにかく 道の端っこでじっとしていて 音が低くなってから動き出すってわけ」
「なるへそ〜 ところで食べ物はどうしてたの?」
「時々は 蝉くんがバタバタやってるのを食べたりしてたけど
まあ ほとんど食べなかったね 5日くらいは大丈夫だから」
「ふう〜ん ぼくも前庭疾患の時はそうだったけど でも健康ならお腹が空くでしょ?」
「お腹が空くよりも 喉がかわいてこまったね」
「じゃあ 水はどうしたの?」
「最初はどうしたらいいのかわかんなかったけど
住宅街を抜けてウロウロしてから田んぼにでたからね
田んぼには水が張ってあったし その横には用水路が流れていたから
そこでガブガブ飲んで またウロウロし 喉が乾いたら舞い戻るってわけ」
「ふーん で 夜はどこで寝てたの?」
「夜っていうか・・ ほら猛暑で昼は暑くて大変だったでしょ
だから日中は神社や公園などの林の中で日影をさがして居眠りをしてね
それで 夕方や早朝になってからウロウロするわけ
さすがに真夜中は怖いから人家の近くで寝るんだけどね」
「人家って?」
「ほら ちょっと広い庭のある家も多いでしょ そんなところにいってたの」
「人間にみつからなかった?」
「時々見つかって おいでおいで なんて言われたけど そういう時はすぐ逃げる 人間は危ないからね」
「人間に捕まりそうになったことは?」
「ナイナイ だって ぼくのほうが足が早いもんね」
「ところで 飼われていた家を忘れて迷子になっちゃったの?」
「ううん 大体の位置はわかってたよ
だから 帰ろうと思えばいつでも帰れたんだけど」
「結局 さいごに帰って来たのはなぜ?」
「だって あそこがぼくのおうちだもんね
それに さすがにお腹も空いたしさ まあソロソロ帰るベエ てな感じ」
「じゃあ また機会があれば脱走するの?」
「うん 必ず!」
最後には目を輝かせて再度の挑戦を期す柴犬くんでありました

日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね ワンワン!