ぼくが食べ残したご飯をねらって毎日やって来るすずめくん
先日の新聞には 最近すずめの数が減っているようなことが書かれていたけど
なんのことはない
ぼくんちの庭に来るすずめはどんどん増えている
昨日なんて10羽ほどがまとまって ちっ ちっ と鳴きながらご飯をたべていた
いいな すずめって
なんにも考えずに ただエサと水だけを求めて生きていけばいいんだから・・
それに比べて ぼくなんか
セキュリティやらセラピーやらの仕事はあるし
いろんな友達付き合いもあるしさ それにこんな文章なんかを書かなくちゃならない
今度の参院選の予想もしなくちゃいけないし
いかに美味しい食べ物にありつけるかも常に考えていなくちゃいけない
あ〜あ すずめになりたい
我と来て 代われや 憂い無きすずめ
すずめからの反論
先日
「すずめはなんにも考えずに生きているので羨ましい
忙しくて困っているぼくと代わって欲しいものだ」
てな事を口走った
確かに 「憂い無きすずめ」と言ってやった
今日 その反論が返ってきた
ちゃんと封書にしたためてある
「飼い犬 早太郎 殿」 と表書きがしてあり
ご飯粒を使ってちゃんとノリで封がされてある
(そのご飯粒だってぼくのだろ!)
書き出しは
「もしもし はやよ はやさんよ 世界の内で お前ほど 手前勝手な犬はない どうしてそんなに鈍いんだ」
どっかできいたような感じだけど 強い言葉でぼくを非難している
具体的な内容として以下の諸点が挙げられていた
1:私達は自分で食べるのに必要な餌や水は 自分で探している
飼い犬のように 漫然と貰えるのを待っているだけではない
2:雨や風を避けるための棲み家は自分で探して手入れしている
飼い犬のように犬小屋をはじめから与えられているわけではない
3:自然界にはいっぱい天敵がいて いつも命の危険にさらされている
飼い犬のように襲われる心配のない環境で のほほんと生きている訳ではない
そして最後に
「私達を見てもらえばわかるように いつだってチュンチュンと忙しく飛び回っている
ぼ〜っと寝転んで昼寝をしてるところなんて見たことはないはず
それを 毎日惰眠を貪っているあなたに 何の憂いもない なんて言われる筋合いはありましぇん」
ちょっと最後は怒りのために方言が出てしまったようだけど まあすずめの気持ちはよくわかった
なるほどね 返す言葉もない
隣の柿は赤く 隣の芝は青い ってことだな
ということは
毎日ぼ〜っと生きているようにみえるご主人だって
あれはあれで 結構忙しく生きてるって事なのかな?
いやいやそれはない だって さっきもゴロ寝してたもん
すずめへの返書
前略 すずめ 様
この度は ぼくの心ない一言が君の心を深く傷つけてしまったようで
まことにもって あいすみましぇん(方言でお返し)
たしかに ぼくから見ると気楽そうに見えた君だって
本当は いつも天敵の危害や風雨、飢餓などに怯えながら必死で生きていたって事がよくわかった
これからは 隣の柿や芝生の色ばかりを気にして
自分の立場に不満ばかり持って生きるのは止めにするから こんどの事はどうぞ m(__)m してね
(注 文字化けじゃないよ 絵文字だからね)
ところで 毎日惰眠ばかりを貪っているように見えるぼくについて(ホントはその通りなんだけどね)
ひとことだけ釈明させてほしい
ぼくだって 飼い犬としてこんな狭い庭に押し込められた生活よりも
自由に野山を走り回って 自分で獲物を仕留めたり 好きなネグラを探したりして 気ままな生活がしてみたい
ほら 鳥だってペットで飼われているインコとかウグイスとか十姉妹とかいるじゃない
(まあ スズメがペットで飼われているのはあんまり聞いたこと無いけど)
すずめくんだって いまの生活が大変だからといって 籠の中の鳥にはなりたくないでしょ?
ぼくは小さい頃 今のご主人に拉致されてきて 未だに監禁状態なんだよ
(誘拐犯は 全く反省の色はないけどね)
だから 空を飛んでどこにでも行ける自由な生活をしてる君たちがとっても羨ましいわけ
そう 「翼を下さい」って感じ
代われるものなら代わって欲しい というぼくの気持ちも少しは理解してね
それから さいごに 一言
ぼくがすずめくんの為に 毎日ご飯を少し残しておくのを知ってた?
そう 君はぼくのペットなんだから ムフフ
ほんじゃね バイバイ
敬具
日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね ワンワン!