奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の 声きくときぞ
秋は悲しき
奥山なんて無いし 鹿なんていないけど 秋は悲しい
どうして?
昔から決まっとる
昔っていつ?
紀元前3世紀 中国の詩人宋玉がこういった
悲哉秋之為気也
悲しきかな秋の気為(た)るや
というわけで
ぼくは 全然悲しくなんて無いんだけど
秋ともなれば そんな事も言ってはいられない
みんなが悲しんでいる季節に ぼくだけがヘラヘラしてるわけにもいくまい
そんなわけで
悲秋を求めて 奥山に紅葉を探しに出ることにした
紅葉狩りといっても 物見遊山に行くのではない
観光バスの一行がゾロゾロと歩きまわるような紅葉の名所では
悲秋を感じることができない
ああいう名所に必ずある屋台には食い気をそそられるけれども
ぼくは 敢て 人の近づかない山の中に入っていった
ふもとのほうは あんまり色づいていないようだったけど
どんどん深く入っていったら なかなかの紅葉に出くわした
う〜ん 綺麗だ
でも まだ悲しくない
やっぱり 紅葉をふみわけなきゃだめか
というわけで 落ち葉をかき集めて踏みしめてみた
でも やっぱり悲しくない
じゃあ 鳴いてみよう ワンワン ワンワン
う〜ん どうもイマイチ
やっぱり 鹿が鳴くのはいいけど
犬が鳴くのはダメなのかなあ
人に 向き不向き が有るように 動物にも有るようだ
仕方がない
ぼくは 悲秋を感じることは諦めて 帰ることにした
ところが
行きはよいよい帰りはこわい・・の例え通り
来るときは ただ紅葉を目指してくれば良かったんだけど
帰るときは どっちに行けばいいのかさっぱりわかんない
iPhoneを持ってこなかったんでナビも使えない
だんだん暗くなってくるし お腹も空いてきた
風も吹いてきたんで だんだん寒くなってきた
どうしよう 迷子になっちゃった
目には涙が浮かんできて
そのせいで なおさら道がわからなくなっちゃた
ク〜ン ク〜ン ついに泣きが入る
悲しい
そうか やっぱり秋は悲しいんだ
奥山で 迷子になりて 泣く犬の 声きくときぞ 秋は悲しき
日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね ワンワン!