本文へスキップ

紀州犬の早太郎が徒然なるままに書き綴る独り言

紀州犬・早太郎が作ったホームページは     こちら

グーの巻

迷子からの帰還

山に悲秋を探しに行って 迷子になり 悲しみを味わったぼく

欲しかった悲しみは充分に味わったので あとはなんとか帰る方法を見つけなくては

まてよ  山で迷ったときはどうするんだっけ
そうだ ウロウロ歩きまわらずに ひと所にジッとして助けを待つ
たしか 以前読んだ週刊誌にそんなことが書いてあった

そうすれば 家族から警察に捜索願がでて 
消防団や自衛隊も出動して 助けに来てくれるはず

でもね ぼく犬だし ご主人が捜索願なんて出してくれるとも思えないし

第一 勝手に家を抜けだして 行き先も告げずに出てきたんで
まさか こんな山の中で迷子になってるなんて想像もしてないに違いない

きっと今頃は ぼくの姿が見えないんで 近所を探してくれてはいるんだろうけど
以前脱走した時に焼肉屋の廻りでウロウロしてるところを発見された経緯があるだけに
また同じように焼肉屋のあたりを探してるんだろうな

紅葉なんて踏み分けないで 焼き肉の臭いをかいでいたほうがずっと良かった

そんな事を考えながら途方に暮れていた時
ふと 肝心なことを忘れていたのに気がついた

それは ぼくが犬だってこと

人間の真似して 紅葉を目で追いかけながら迷いこんでしまったけど
人間のように 目で帰り道をさがそうとするからいけないんだ

ぼくは犬だから 正直な所 目はあんまり良くはない 
その代わり 鼻はいい

いままで通ってきた道には自分の臭いが残っているはずだから
それを辿れば 帰り道がわかるかもしれない

長い間 飼い犬の生活を送ってきたんで 
自分の臭いを辿って帰るなんて事は経験する必要も無かったけど
きっとできる 
kitaku.jpg

自分の野生を信じて クンクン クンクン
わかる なんとなくぼくの高貴な匂いがする
(臭いじゃなくて匂いね)

こんなことなら ここに来る途中 
もっとオシッコをかけながら来りゃ良かった
なんて 多少余裕がでてきたぼく
暗くなった山路を 鼻だけを頼りにして 黙々と帰路につく


やっとのことで 知ってる道にでた時 
ぼくは バンザイを叫びたいほどうれしかった

ご主人もさぞや心配していることだろうと 一目散に家に向かって駈け出した
ついに帰宅したぼく  
無事を知らせるために思い切り吠えた 吠えまくった

ワンワン ワワン ワンワン ワワン

でも 待っていたのは次の一言

「ご近所の迷惑になるから静かにしろ!」

グスン   やっぱり 秋は悲しい



いちごぶらんとさがった

   

トップに戻るボタン

随筆のイメージ

日本4大随筆のひとつ

日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・ 
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね  ワンワン!