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紀州犬の早太郎が徒然なるままに書き綴る独り言

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グーの巻

過半数ってエラくないの?

この日本は民主主義の国らしい
だから選挙ってのがあり
いろんな議決機関があり 多数決で決める

ぼくはそれを犬の小学校の社会科で習った

要は ある一つのことを決める時に多数決で決める

「早太郎に この饅頭をあげるかどうか イエスかノーかどちらかに手を上げて下さい」
てなことを学級委員が採決をとる

その時に ノーといいそうな奴をぼくがにらみ倒したとしても
半分以上の犬の子がノーといったら ぼくは饅頭をもらえないことになる
その「半数以上」というのを過半数という

過半数というのはかなり強いやつである
少なくとも ほくの「にらみ倒し」よりも強い

それについては こんな思い出がある

犬の小学校では 日本犬と洋犬がほぼ同数だった
そして 給食当番と掃除当番というのがあって
全員が交代でどちらかの当番についていた

人気があったのは やはり給食当番 
だって自分の皿に多めに盛り付ける事ができるから

この当番については元々 先生が上手に公平に決めていたんだけど
社会科の授業で民主主義を習ったのを機会に 先生が言った
「自分たちの話し合いで当番を決めなさい」

さっそく グループ分けをどうしようかということになり
だいたい同数いるから 日本犬グループと洋犬グループに分けることになった

その後 どちらのグループが給食当番になるかということで大いに揉めた
だってみんな給食当番になりたいんだもん

その時 誰かが叫んだ
「多数決で決めよう」 そうそう もめた時はだれかが叫ぶ常套語 多数決

この多数決の結果 日本犬のほうが2匹多かったので 日本犬グループが給食当番になった
そもそも 数の異なる二つのグループに分けた点に問題があったんだけどね

多数決で決まった事ならしょうがない という訳で洋犬グル−プも渋々納得した
当番の期間は一ヶ月単位として、次回はまた話し合いで決めることになった


それから しばらくして洋犬一家が引っ越してくるという噂が流れた 子供が3匹いるらしい

さっそく日本犬グループで密談がおこなわれたのは言うまでもない

「洋犬兄弟が学校に入ったら ぼくたちが掃除当番になっちゃうかもしれないよ」
「そんなのいやだ ず〜っと給食当番がやりたい」
「そうはいっても 多数決になったら負けちゃうんだから」
「困ったなあ・・」

ま 確かにこれは難しい問題であった 

ところが 我が陣営に一匹 ずる賢いやつがいた 多分先祖はきつねだと思うんだけど

そいつがこう言った
「当番改選規定を作ろう」

なんやそれ と 詳しく内容を聞いてみると
 
それは洋犬グループのほうが多数になっても給食当番を続けられるルールを今のうちに作っちゃおう ということだった

その内容とは
「当番の改選には2/3以上の賛成を必要とする」という規則を多数決で決めちゃおうということらしい

なるへそ
これなら当分 ぼくたちの給食当番はゆるがない

さっそくクラス会が行われ
まだ洋犬3兄弟が転入してきていないので
賛成多数で「当番改選規定」は採択された

ところがである  先生の拒否権によりこの案は葬り去られた

先生はこう言った

「当番をもっと公平に決める方法はあり、それを先生から教えてあげる事もできたのですが
 みなさんが社会にでたら 結局は自分たちだけで決めなければならない訳ですので 
 敢えて話しあいによって決めてもらう事にしました。
 洋犬グループの皆さんは不満があったと思いますが現実の社会とはそんなものです
 みなさんもそう思ったでしょう 多数決だから仕方がないと
 でも今回の改選規定というのは間違ったルールです
 わかりますか? 
 「普遍的な多数決のルール」をその時の多数決で決めることはできません
 だってそうでしょう
 今回の案では 2/3以上となっていましたが それが4/5だったらどうですか
 極端な話 全員一致でないと改選できないという案だったらどうでしょう
 永遠に改選なんてできませんね
 つまり多数決のルールというのは「過半数の賛成」以上に高いハードル設定はできないのです
 多数決というのはそういうものです  読んで字のごとく多数で決めるものなのですから
 わかりましたか?」

こんな事があってから

しばらくして 洋犬3兄弟が入ってきて ぼくたちは掃除当番に回され
又しばらくしてから どちらからともなくグループ分けを見なおそうということになり
くじ引きでグループ分けをして毎週交代で行うようになった

ぼくとしては あの給食当番独占時代が懐かしくもあるけど 
やはり 洋犬くんたちに悪い事をしたな との悔いも残っている
そして あの「当番改選規定」の間違いを教えてくれた先生に感謝している

あのとき級長の秋田君が先生にこう質問した事も覚えている

「先生 日本国憲法の改選には2/3が必要だと聞いたことがあるんですが あれはいいの?」

先生はおもむろにこう仰言った

「あれは人間世界のことですからね わたしたちは犬です 正しいルールで行きましょう」



いちごぶらんとさがった

   

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随筆のイメージ

日本4大随筆のひとつ

日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・ 
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね  ワンワン!