天城越えにやってきて
浄蓮の滝 寒天橋 とくれば 次はな〜に
それは秘密 秘密 秘密 秘密のはやちゃん
なんてくだらにこと言ってないで
そう こたえは
風の群れ 天城隧道 ってわけ
やっぱり天城越えといえばここだよねえ
伊豆の踊子でも この峠のトンネルを越えて芸人一行を追い抜いたところから物語は展開していく
松本清張の「天城越え」でもこのトンネルが重要な舞台となっている
天城隧道 正式名称は 天城山隧道
別名 旧天城トンネル
明治時代に切石をアーチ状に組み上げて造った全長445mのトンネル
もう11月半ばだから 山の中の紅葉はかなり終わりに近い
トンネルの入口(出口もそうだけど)付近は落ち葉で埋め尽くされている
そこに 傷ついた心を癒やしに 一匹の犬がやってきた
なにが傷心だって そりゃ その日の朝ごはんに魚がついてなかったからじゃん
ご主人はメザシを二本食べてた ぼくはちゃんとみてたもん
ご主人が二本なら ぼくは少なくても一本はもらえるもんだと思ってた
それなのに ぼくは味噌汁をぶっかけただけの通称ねこまんま
そりゃあないでしょ せっかく天城までやってきたのに・・
だから つまり傷心の犬だから 隧道をトボトボと歩く 肩をおろしてね トボトボ
このトンネル 最近はほとんど車は通らない まあ観光スポット扱いだから
車にはねられる心配はほとんどない だから トボトボ
ふと 気づくと ぼくだけしか歩いていないはずなのに もう一つの足音が聞こえてくる
ヒタヒタ とね
ぼくが足を止めると その足音も止む あるき始めると またヒタヒタと
でた〜
ぼくは一目散に出口に向かって走り出した
ぼくは本気になったら疾いからね あっという間にトンネルを抜け出した
あー 怖かった あれってなに
あとでわかったけど どうやらここは名高い心霊スポットだったようだ
小さな子どもや女の人や昔の武士の霊なんぞもでる処らしい
あのヒタヒタが何だったのかは結局わからずじまいだけど
朝ごはんにメザシをもらえなくて世をはかなんで自殺した犬の霊ではなかったことは確かだろう
ま トンネルを抜けたはいいけど 結局戻るに戻られず
ご主人に携帯で電話して迎えに来てもらった
頭をポンと叩かれた 涙がでた(うれし涙か悔し涙かわからないけど)
もう絶対に独りでトンネルは通らない
日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね ワンワン!