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紀州犬の早太郎が徒然なるままに書き綴る独り言

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チョキの巻

男はつらいよ

従者二人を連れた戦国大名が若狭から一山越えて琵琶湖の見える峠に立つ
「キレイだなー 琵琶湖は」
のんびりと旅を楽しむかのようにつぶやく彼に
この後 とんでもない悲劇が待ち構えていようとは

彼の名前は 武田元明
秀吉から琵琶湖畔の海津にある宝幢院に呼び出され
突然そこで 「腹を切れ」と言われて無理やり自害させられる
その挙句 留守宅からは美貌の妻女を拉致の上 秀吉の妾にされてしまう

水上勉の秀作「湖笛」の冒頭に描かれているこの悲劇

ま ホントはこの物語の主人公は京極高次なんだけど
美しい妻に目が眩んだ権力者秀吉の謀略により殺された武田元明
その無念さの方が 読後も心に長く残っている

そんなことで 
一度は訪れてみたいと思っていた宝幢院についに行く機会がきた

「湖笛」では大寺院のように書かれていたこのお寺
永平寺クラスを想像していたのに
ついてみると ほんとに小さな田舎のお寺だった

古びた山門がなんとなく歴史を感じさせるぐらいなもの



な〜んだ 全然違うじゃん
というのはぼくの勝手な感想で これは宝幢院のせいではない

どうもこの日はお葬式があるようで その準備でゴタゴタしている
「武田元明の墓はどこ?」なんて尋ねるような雰囲気じゃなし
自分で本堂の裏手の辺りをウロウロ探しまわった

墓地内にはいろいろな墓があってなかなか見つけられなかったけど
隣接する荒れた草地内に幾つかの墓石が点々とあるのを発見



お墓の並び方も整っていないし 
傾いたり倒れたりしているものも多い中で
一番まともそうなお墓がどうもそれらしい



近づいて墓銘をみる
なんとか「前若狭太守源朝臣元明之墳」と読める

あった〜



なんとも小さな 可哀想なくらい寂しい場所に建っている
隣の宝幢院墓地内にある多分地元のお百姓さんのお墓の方がよっぽど立派だ

お墓の前にオスワリをして感慨にひたるぼく
「まあ こんな寂れた場所にあるけど お墓があるだけましなんだからね」
と なぐさめるのが精一杯

ちなみに
秀吉の側室となった元明の正妻「竜子」は
松の丸殿と呼ばれて豪華な御殿に住み
さんざん贅沢な生活をした挙句 
豊臣家滅亡後も 徳川幕府の大名となった兄の京極高次の庇護の下
出家して寿芳院と名乗り穏やかな晩年を迎えている
そのお墓も京都の豊国廟に立派に祀られている

ホント 女は強し  男はつらい

いちごぶらんとさがった

   

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随筆のイメージ

日本4大随筆のひとつ

日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・ 
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね  ワンワン!