流石にこの季節になればもう台風はこないだろうけど
台風が接近する時には いろんな警報や注意報がでる
でも ぼくのように長年生きて台風慣れしてくると
警報ならまだしも 注意報ぐらいではビクトもしない
せっかく気象庁の人が頑張って注意を喚起してくれたのにである
ところで 道を歩いていたりドライブしたりしていると
やはり いろんな注意標識や 注意書きを目にするよね
「野生動物飛び出し注意」とか 「落石注意」なんてのはよく見かける
野生動物たちは ぼくのように教養があるわけじゃなく 道路交通法も知らないから
ノコノコと道路に飛び出しちゃうのも これは致し方ない
だからドライバーは あの注意標識をみたらスピードを落として
いつ彼等が飛び出して来てもぶつからないように注意しなきゃならない
でも あの落石注意ってのは どうしたらいいのかわかんない
崖の上から石が落ちてくる事があるので注意してね っていう訳だろうけど
スピードを落としたって落ちてくるものは落ちてくるだろうし
上から落ちてこないかなあ なんてキョロキョロ脇見運転なんてのはなおさら危ない
そんな危険な場所なら早く取り過ぎちゃわなきゃ とスピードを上げるもどうかと思うし
実際 あの看板を見ても どう対処したらいいのか とんと検討がつかない
同様に 注意書きを見てもどうしたらいいのか分らなかったという事態に出会ったのは最近のこと
北陸の敦賀市に金ヶ崎城というお城が有った
南北朝時代に後醍醐天皇の皇子である尊良親王がここに立てこもって
北朝側である足利軍と戦った場所である
結局は戦いに敗れて ここで自刃して果てたんだけど
是非悲運の皇子の霊を慰めたい との思いにかられて
この金ヶ崎城址にのこのこやった来たぼく
山麓の金崎宮にお参りして 山腹にある尊良親王自刃の地に向かおうをした路傍にて
ふと目にしたのは 案内看板の下に貼り付けてある注意書き
なんと 「クマ出没注意」
クマの目撃情報があるのでノコノコ歩く人は注意してね ってやつだけど
ノコノコ歩く犬も勿論 注意対象に入っているに違いない
ぼくも若い頃は 一度はクマに遭遇してみたいもんだなんて思っていたけど
最近はクマと格闘して勝てる自信もサラサラ無くなって
くまモンならいいけど本物のクマとのご対面などは御免被りたい
で
この注書きを見て ぼくはどのように対処したらいいのか
「こりゃ クマッタ」などと親父ギャグを飛ばすぐらいしか思いつかない
ぼくが注意していようが してなかろうが クマは出る時には出るだろうし
出てきてぼくを見つけたら 遮二無二突進してくるかもしれない
「待て待て 話せば分かる」といっても聞き分ける奴じゃなさそうだし
ここはやはり相手の警戒心を煽るに如かずと ワンワン吠えることにした
でもね
なんにもない山道をいたずらにワンワン吠えながら登っていくバカらしさ
それに
ワンワン吠えることで却ってクマを刺激して 寝た子を起こすようなことにもなりかねない
などと心配もしたりして
登るに従って 段々不安が増してくる
本当は山頂にあるという見晴らしの良い本丸跡「月見御殿跡」まで行きたかったんだけど
結局 「尊良親王自刃の地」で手を合わせただけで スゴスゴと引っ返してきた
ま そもそもの目的は達した訳だけど
あの注意看板に脅かされて帰って来た自分の臆病さが恨めしい
「死せる孔明 生ける仲達を走らす」ならぬ
「張り紙のクマ 生ける早太郎をビビらす」 ってわけ
日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね ワンワン!