先日 ご主人とけんかをした
けんかといっても 口喧嘩だけどね
口喧嘩といっても人間の世界で言う口喧嘩だよ
つまり お互いに怪我をしない いうなれば ののしりあい ってやつ
犬の世界の口喧嘩は噛みつきあいの本格的な喧嘩をいう
人間界でいえば腕尽くの喧嘩ということになる
ところが犬の世界の腕尽くってのは 互いに前足でちょっかいを出す いうなればじゃれあいのこと
事程左様に人間と犬では表現の仕方にも大きな違いがある
という話じゃなくて とにかくぼくとご主人が喧嘩をしたっていう話
どんな喧嘩かというと
ある日 ふたりでお寺にお参りに行ったと思いなせえ (江戸言葉か)
お参りと言ってもそんなに宗教心があるわけでもないんで
どちらかと言うと行楽がわりなんだけどね
とにかく三重県の津にある専修寺というお寺に行ったときのこと
ご主人が車を運転して ぼくが助手席にすわるという いつものパターン
助手席にいる限りは 助手の役目もつとめることになる
駐車場を探しながらお寺の周りを車でウロウロする
この場合 助手の仕事は それらしい駐車場を発見することにあるくらいはぼくだってわかっている
ご主人 「大きな看板がでてるはずなんだがなあ」
ぼく 「運転しながらキョロキョロすると危ないから 駐車場探しはぼくに任せて」
ご主人 「じゃあ しっかり見てろよ」
ぼく 「ワン!」
ぼくは 専修寺参拝客駐車場 と書いてある看板がどこかにあるはずだと探すんだけど 見つからない
結局お寺の周りを大きく一廻りしてまた元のところに戻っちゃた
「無かったなあ」
「うん 無かったね」
「看板見なかったか」
「うん 見なかった」
仕方がないから道端に車を停めて周囲の案内図をじっくりみて探し当てたんだけど
そこはさっき素通りした場所だったから ご主人得意のお小言がでる
「なんだ ここに看板が出てたじゃないか どうして見逃したんだ」
「あれ さっきは全然気づかなかったけど・・」
「またいい加減なこといって 居眠りしてたんじゃないのか」
「そんなあ ぼく ちゃんとみてたんだよ」
「じゃあ どうして見逃したんだ」
「・・・・・・ クソッ 」
「なに クソッタレ だと!」
「ワンワン ワンワン(最後は犬語にしておけばごまかせる)」
とまあ こんな感じの言い争いがあったわけだけど
その看板ってのがこれ
ほら 車に乗りながら進行方向を見ていると 電柱の影に隠れてるでしょ
すぐ横をすり抜けるときに首を横に振ればわかるんだけどね
あいにくぼくは首を縦に振ることはあっても首を横に振ることは無い
尻尾を横に振ることはあっても首を横に振ることはない
これじゃあ 看板を見過ごしてもしかたないでしょ
やはりぼくが悪いのか ご主人が悪いのか それとも看板の位置が悪いのか
ザット イズ ザ クエスチョン
日本の3大随筆って知ってる?
方丈記と徒然草と枕草子なんだってさ。
犬の小学校で習ったかな?
で、随筆って何かというと、
とにかくなんでもいいんで、
ダラダラ書いたやつらしい。
それなら・・
てな訳で書いたのがコレ。
細かいことは気にしないでね。
なんてったって犬だから・・
じゃあね ワンワン!